シチリア島ぐねぐね旅行記(1)


 シチリア・・・それはあたし(ラスカル)がずっと憧れていた夢の島です。と書くと何だかゴミの島みたいだけど、ここには人類発祥から連綿と続く歴史と宝物がてんこ盛りなのだぜ。
 先の大戦では連合軍とドイツ軍が死闘を繰り広げた激戦地でもあり、ミリタリーマニアにとっても美味しい島なんじゃないかな。イタリア軍は戦わずに飛んで逃げましたが。



 シチリアに渡るに当たり、まずイタリア半島の先端部にあるヴィラ・サンジョバンニという街に赴き、そこから船に乗るというルートをとります。
 飛行機で行っちゃった方が楽だろうとも思いますが、やっぱどうせならばメッシナ海峡というヤツを船で越えてみたいでしょう。せっかくここまで来たんだものね。


↑フェリーよりシチリア島を望む


 船はいくつかグレードがあるようですが、大きなカーフェリーがメインです。大型バスが何台も乗るし、列車も客車ごと積めるので、イタリア本土からまんまツアー客を運べて便利みたいです。
 ちなみに船旅と言ってもたったの40分ほど。本土とシチリアはまさに目と鼻の先の近さで、泳いでも楽勝渡れそうです。日本なら速攻橋かけちゃってるでしょうね。
 渡った先は有名なメッシナの街です。降り立って感慨ひとしお。ついにあたしは来たぜ、シチリア!



 さてシチリアは古来「トリナクリア」と呼ばれていて、これは「3つの岬」を意味します。この島は三角形をしているからです。大きな都市の多くはこれらの岬を結ぶ海岸線に沿って栄えていて、あたしもその主なものを訪ねてみようと思いました。
 島内は鉄道、道路交通とも良く整備されていて、特にバスは近、中距離合わせて色んな路線があります。大都市からはシチリア一周のツアーバスなども発進していて、これには英語やフランス語などを話すガイドさんが同乗してくれるそうです。あたしももっぱらバスを利用することにし、まずは北海岸にあるパレルモを目指しました。

↑シチリアのいたるところで見られるトリナクリアのシンボル




 このパレルモはノルマン王朝首都として大変に繁栄し、現在もシチリア州の州都である大都市です。文化遺産も星の数ほどあり、実に見所のある観光地とは言えるのですが、あたしの第一印象としては、「何か汚〜い」(^^;)という感じでした。どうも街全体が薄汚れている感じがするのです。
 そりゃあ古い街なので建物その他が汚れているのは当然なんですが、同じ古くてもローマやフィレンツェは実に美しく見えます。要するにパレルモは、古都としての汚れではなく、現代都市としての汚れが浮いて見える気がします。
 戦後立てられたコンクリ家屋は手入れが行き届かずにボロボロ。道はゴミと犬のフンだらけで、身なりと目つきの良くない浮浪者や外国人も結構たむろってます。


↑有名なパラティーナ礼拝堂の内部ニャ



 実際治安はシチリア内でも一番悪く、街を歩いていてもちょっとおっかないですね。小さなレストランなど、予約のお客様が来るまではドアに鍵をかけていたりして、不審者の侵入を警戒しています。ここはロスの裏路地かって。
 そこへ持ってきて観光客がめったやたらと多いので、日中人気スポットは混乱の極み。ノルマン宮殿の前はディズニーランドなんか目じゃない行列だわ、そこへ商売柄数カ国語をあやつる物売りがドッと群がるわ、スリは出るわ白タクは出るわハトと野良犬が乱舞するわそれを馬車が轢き殺すわと、完全にパニックなのなの。


↑こちらはサン・ジョバンニ・デリ・エレミーティ教会の鐘楼



 この街を楽しむにはまず観光シーズンを避け、それなりに身辺を警戒しながらじっくりとスポット巡りをした方が良いようです。4月頃からはもう全世界からお客さんが押し寄せるのでちとオススメできませんのことよ。
 ということで街を辞し、次は島の東端を回って南海岸へ移動します。


→戻る