マルタ島ぐねぐね旅行記


 マルタ共和国はシチリアの南約100キロに浮かぶ群島の国です。
 日本と南イタリアとの距離を考えれば100キロなんて零距離みたいなもんですから、ここまで来たらついでに行ってみたくなっちゃうのが当然の人情でありましょう。で、行って来ました、マルタ。



 ご存じの方も多いと思いますが、この国はとてもちっちゃくて、群島全体の面積でも佐渡島の半分くらいしかありません。国民総人口だって八王子市より少ないのです。まさにマイクロ国家。
 英領から独立して主権国家となったのはつい40年ほど前で、現在はまだ欧州連合に加盟していないのでマルタリラという独自通貨を使っています。(ちと不便なり)
 公用語は英語およびマルタ語ですが、イタリア語やフランス語を話す人も多いみたい。


 マルタの国際空港は「ルカ」というんですが、降り立ってまず感じたのは、シチリアとは目と鼻の先なのに、ずっと南国イメージが強いということです。
 日差しは強烈でやや湿気も多く、海の色はシチリアよりもさらに青く澄んでいる。そのためここではマリンスポーツがとても盛んで、全世界からダイバーがやってきます。
 マルタ観光はそうしたマリンスポーツと、各島に散在する古代遺跡や奇岩などの見学、そして美しいバロック調建築の並ぶ市街散策が中心となります。
 島内は舗装路が整備されていて、そこを市バス(旧式でとても風情があります)で回れば効率的に観光が出来ます。しかし舗装路と言ってもメンテがあまりされていないらしく、バスの超揺れること揺れること!
 ヘタすりゃ舌を噛みそうになるくらいで、あたしは平気ですけれど、乗り物酔いをする人は大変だろうなあと思いました。



 今回あたしはマリンスポーツをする予定がなかったので、遺跡や市街などを見て回ることにしました。
 まず遺跡ですが、マルタの場合はギリシア遺跡が残っているわけではなくて、先史時代の巨石文明遺跡を見ることが出来ます。ハジャー・イムや、ゴゾ島に残っているジュガンティーヤなどが有名です。
 シチリアほどには観光客が多くなくて見学しやすいのですが、真っ白い石灰岩で出来た神殿内にいると、その乱反射でアッという間に日に焼けます。あたしのような弱っちい肌の人間は日焼け止め必須です。もちろん遺跡に屋根なんか残ってないわけですから。

↑ハジャー・イムの神殿。紀元前2700年頃のもの


 マルタとゴゾにはそれぞれブルーグロットとドゥイエラという景勝地もあって、素晴らしい青さの海と巨大な奇岩との絶景を見ることが出来ます。
 どちらも小舟で海上をクルーズするサービスをやっていて、これがスーパー楽しい!
 もちろん天気が良くないとダメですけど、次々現れる岩と洞窟と海の青さにドキドキします。船酔いが大丈夫な人なら是非試してみるべきでしょう。料金はだいたい300円くらいです。

↑マルタのブルーグロット

 

↑こちらはゴゾ島にて


 都市観光の方は首都のヴァレッタが中心になります。マルタと言えば有名な聖ヨハネ騎士団を思い浮かべる方が多いと思いますが、騎士団に関する歴史的遺物はそのほとんどがここに集中しているのです。(そもヴァレッタという都市名が当時の騎士団長に因んでいるらしい)
 街には騎士団長の宮殿や、彼らによって作られた大聖堂、いくつかのオーベルージュ(寄宿舎)を利用した博物館などがあり、それぞれ見ごたえがあります。
 現在ヴァレッタからは政府機関がほとんど移動してしまい(街そのものが手狭になったかららしい)、映画館やクラブなどの娯楽施設も街の外にあるため、街の雰囲気は不思議と静かです。
 観光客こそそこそこ多いですが、だから落ち着いて見学がしやすく、のんびり市街観光をして一日を過ごすには最適と言えるでしょう。

↑バレッタのグランドハーバー。それぞれの突堤は海上要塞のなごり


 マルタは英語が公用なのでイタリア以上にコミュニケーションが取りやすいですし、何より治安が非常に良いのがポイント高いです。
 ここはヨーロッパでも最も安全な場所の一つで、女性が夜1人で出歩いても心配ありませんし、街によっては鍵をかける習慣すらないところも多いそうです。
 ほんの100キロ向こうのシチリアとはエライ違いですが、そもそも非常に小さい島ですし、人口も少ないので犯罪を起こしたらすぐにバレてしまうというのがその理由なのかもしれません。
 人々の気質も、イタリア人のような底抜けの明るさこそありませんが、おしなべて朗らかで親切です。(観光で食べている国なんだから当然と言えばそうでしょうが)
 何というか、「誠実」とか「質朴」とかいう、昔の日本で美徳とされていたセンスが自然と生きていて、滞在中とてもなごむ気分にさせてくれた国でありましたのよ。

↑マルタでは奮発して五ツ星ホテルに泊まっていたあたしだったり


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