南イタリアぐねぐね旅行記


 今回の渡欧ではシチリア滞在に重点を置いたんですが、イタリア本土でもチョコッと目新しい土地を訪れたりしてみたので、せっかくですからそれらについても記しておきましょう。

↑「ジョジョの奇妙な冒険」第49巻の舞台となったカプリ島、マリーナ・グランデ




 まず訪ねてみたのがアルベロベッロという街。
 場所的にはイタリア半島のかかとの付け根辺りになりますが、どうしてここを見てみたかったかというと、世界遺産に指定された街だからです。え〜えミーハーですとも、自分で良く知ってますとも。


 
 何がここをして世界遺産たらしめているかというと、この地方(ブーリア州)独特の形式の住居がごちゃまんと固まって建っているからです。
 これらの住居は「トゥルリ(単数ではトゥルロ)」と言い、円筒形の白いブロック壁と、薄い石の板を円錐状に積んだ屋根を持っています。ムーミンの家を縮めたみたいな感じ。
 街中がそうした家で構成されているので、何だかおとぎの国に迷い込んだような風情がありますが、あたし的にはちょっと少女趣味すぎるかなあという印象でした。世界遺産と言うよりは、どことなく「カッコイイ清里」という感じなんです。可愛い小物のみやげ物屋ばっかりですしね。

↑トゥルリの立ち並ぶアルベロベッロの景観




 ここにはユネスコに公認された日本人のガイドさんがいて、ヨーコさんというんですが、このアルベロベッロに嫁いでみやげ物屋を経営なさっています。お願いすれば街を案内してくださるようで、日本人観光客にとっては心強いでしょう。
 彼女が「イタリアで一番美味しいアイス屋さん」と紹介してくれたお店に行ってみたのですが、なるほどなかなか美味しいお店でした。
 あたしはイタリアンジェラート(アイスクリーム)って甘すぎてあまり好きではないのですが、ここのはほどほどの甘さで日本人向け。メロン味を勧められたんだけど、あたしはピスタチオ味が美味しいと思いました。
 店主はまだ若い女の人でしたが、他にお客さんがいなかったので色々お話しをしました。何でもヴェローナの生まれで、一族郎党全員がジェラート屋さんなんだとか。(どんな一族だ?)
 修行はミラノでなさったそうで、お師匠さんの写真が店内に貼ってありました。日本のそば屋さんみたいに、イタリアにはジェラート道みたいなのがあるようです。
 ちなみにお値段は大きな二個玉ミックスで1ユーロ20セント(130円くらいかな)。安いなあ〜、というわけで、皆さまもし機会があったらアルベロベッロ、ポポロ広場のお店へゴー!なのなの〜、なんて頼まれてもいないのに宣伝してみたり。



 次に訪れたのはマテーラという丘の上の街で、位置的にはアルベロベッロからティレニア海側へ半島を半ば横切った辺りです。どうしてここを見てみたかったかというと、世界遺産に指定された・・・(以下同文)


 
 この街の見所は旧市街を構成している独特の住居群で、アルベロベッロの「トゥルリ」に対し、ここのは「サッシ」と呼ばれています。
 形式としては洞窟住居であり、柔らかい岩壁をくり抜いて住処としていたワケです。元々は迫害を受けた修道士なんかが隠れ住んでいたらしいですが、その後農民なども住むようになり、現在でも僅かながら人が暮らしています。
 昔のサッシの暮らしを再現保存している家なんかもあって、1.5ユーロの見学料をちょっと負けてと言ったら1ユーロにしてくれました。(^^)
 中は二部屋くらいでムチャクチャ狭くて、そこに家族数名と馬とかニワトリまで暮らしていたそうで、閉所恐怖症のあたしはお願い誰か助けて〜って感じでした。
 驚いたことに、日本人だと言ったら日本語の解説テープを流してくれたりしたんですが、ヘタクソな直訳みたいな内容でイマイチ分かりにくかったです。最後に「気を付けてくださってありがとうございました」なんて言うんですが、あれは明らかに「お目に留めてくださって・・・」という意味のことを言いたかったんだと思います。まあそういうヘナチョコぶりがまた楽しいんですが。

↑マテーラ旧市街。ほぼ放棄されています




 マテーラの街全体は、新市街を含めても非常に荒涼とした風情があり、あたしはとても気に入りました。
 ちょっと北イタリアのアッシジの街に似た感じがしますが、アッシジには古都とは言えイキイキした人の活力が感じられるのに、マテーラはマジで寂寞としています。イイなあこういうしみじみと枯れた感じ。住めと言われたら引くけどさ。



 この他にもアマルフィ海岸沿いの各都市だとか、レッチェ、オストゥーニなんかの有名都市も回ったのですが、長くなるのでこの辺にして、最後に2002年現在のイタリアにおけるジャパニメーションについてちょっと書いておきましょう。



 前回イタリアを訪問したときは「ゴッドシグマ」がオンエアされていて嬉しかったのですが、その後も状況はあまり変わらないらしく、やっぱりたくさんのジャパニメーションが放映されていました。
 ちょっと思い出しただけでも、「シティハンター」、「スーパーピッグ(原題を知りません)」、「釣りキチ三平」、「ドラゴンボール」、「ピコリーノの冒険」、「らんま1/2」など、朝から晩までジャパニメーション。
 特に「シティハンター」や「釣りキチ三平」は人気があるのか、以前に来たときにもやってたなあ。「釣りキチ三平」は「釣犬ハチ公」の巻を前回も見たぞ。まさかずっとこればっかオンエアされてるんじゃあるまいな。
 それと「ドラゴンボール」は「ポケモン」と並ぶ大ヒット作品で、シチリアの街でもあちこちで悟空のラクガキを見かけました。

↑レッチェという街で見かけたポスター(^^)




 かよう日本のアニメ文化がもてはやされていることはとても嬉しく思いますが、残念なのは、本当に良い作品はあまり輸入されていないように見受けられることです。
 やっぱイタリアのようなジャパニメーション大量消費国でも、そもアニメなんてものは子供が適当に楽しめれば良いという程度の受け止められ方しかしていないのかなあ。「もののけ姫」みたいなしょうむない夜郎自大アニメしか外国で話題にならないというのは勿体ないと思いますの。


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