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SS『キングハゲイナー対ジムリファントム』

公開日2022年9月4日

by となりの国のARIS





 『キングハゲイナー対ジムリファントム』とは、子供たちに大人気のアニメ2作『オーバースペックマン・キングハゲイナー・ヨシユキ』『パヤオ・ジムリファントム・ゼロ』の世界から両作品の主役を当作品の舞台である異世界へと連れてきて共演させた、劇場用クロスオーバーアニメである。テレビCMなどで宣伝に使われた「シックリくるぞ、最高にハイストンウェルってヤツだ」という謎の言葉は、劇中にはどこにも出てこない。





「この2人が対決してぶちのめし合う内容かと思ってワクワクしながら見始めたけど、一向にそんな展開にはならず、2人が共闘して悪のマルミミ帝国に立ち向かうオハナシだったでござる。




 まあ、それでも面白ければまだそれはそれとして評価できたのだけれど、テレビ同様、無駄に熱血ぶってて相変わらずキャラのセリフで矜持とか題目をやたら叫ばせ超絶に安くてイタくて、はいはいアツイねアツイね、社畜のブラック自慢かよ、みたいな。当時からあたしは、夏も、このアニメも嫌いです。まあ、監督のファンではあるし、あと、劇場版らしい豪華さでオハナシの途中に挿入された、まさかの実写映像で関係者一同によるリアルハゲダンスが見れたのは一応、収穫っちゃ収穫だったかもだけど。





 もうさ、なんでこうポンコツばかりで、まともなロボアニが久しく出てこないのか。一度ここらで皆さん、古の傑作ロボ『マジン・グララアガア』に学びなおしたほうがよいのではないかしら。敵に虐げられ続けてプッツン、敵を完膚無きまでに破壊し尽くす、まさに痛快娯楽プロレス! そういえば昔、「マジン・グララアガアが踏んでも壊れない!」とか「でも、マジン・グララアガアはもっと好きです。 by 幼女・カエデコ」っていうテレビCMもあったなぁ、懐かしいなぁ。あとOPソング、ゾウさんの鳴き真似をシャウトしてあんなにカッコよくサマになるのも、さすがアニキ、本当プロよね〜。





 あーあ、やっぱりあたし、あのとき、キングハゲイナーではなく『ラッちゃんロボ』にしておくべきだったのかなぁ。え、知らないの、ラッちゃんロボ。世界名作自治場の名警察犬ラッちゃんロボのことよ、それの劇場版ね。あたしという娘は、どうして、昔からこう、しくじってばかりなのかしらねえ。まあ、ドイヒーっぽさプンプンだったから、あれはあれで見なくて正解だったかもだけど。落ち目になってからの長浜ロボって感じでさ。いや、長浜ロボに失礼か。」





 などと、後年、若き女性・カエデコは、家でお茶を啜りながら述懐している。





「でも、やっぱりあたしは、女だてらにロボアニが好きなようです。」








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