No.46
このアニメはこう見やがれってんだ!(10)
2004年度一発目のアニメレビューです。
扱ってる作品は2002年のモノだったりしますが、内容的には5億年経っても風化しないように書いてあるから大丈夫。なんせメフィラス星人より賢いというニャントロ星人の放った電波を、それよりさらに賢いあたし(ラスカル)がチャネリングして構成してるんだもんな。
他の凡百のアニメ評を読むヒマがあったら、このコーナーだけ何千回も読み返した方がずっとためになる。これは福音です。無欠なる神の言霊なのです。諳んじなさい。崇めなさい。その果てにこそ真の知性が・・・・・・・・・・・・・・・・
んん?・・・え〜と、何のハナシでしたか?
ゴメンナサイ、チャネリングの影響でちょっとトランス入っちゃってたようです。
やたらとノンタイムリーだし、拙い点ばかりのアニメレビューですが、今年(2004年)もどうぞ見捨てずに読んで下さいね。はあと。
ヒートガイジェイ
力作!しかるに駄作!実に勿体ないなあと思わせてくれる反面、でもまあこれはこれで良いかという気にもなる、ちょっと可愛らしい印象の作品だ。
本作はあたしがこの電波館で散々にこき下ろしている超絶ダメ会社「サテライト」の手になるものなんだけど、この会社のお仕事としては群を抜いて良質だと思う。完成度は低いが、少なくともオシマイまで見てみようかなと思わせるだけの力は持っている。これならば「アルジュナ」や「ジーンシャフト」のように洟かんでポイという扱いをするわけにもいくまい。
内容的には、「ジュド」なる架空の未来都市(ニューヨークのようなイメージ)を舞台に、特設された対犯罪部署の準職員(捜査官?)ダイスケと、その相棒である強力なアンドロイド、ジェイの活躍を描く、いわゆるバディコップものクライムアクションかな。
ベタで陳腐な道具立て(世界観)ではあるが、シンプルで分かりやすいですし、てことは余計なことを考えずにメインのアクション部分を脳天気に楽しめるわけだから大変結構だと思う。
とは言えそのアクション自体がカタルシスを欠くことを始め、欠点難点は大盛り山盛り。
キャラやドラマはステレオタイプの骨頂で、次のセリフや展開がいちいち想像できてしまうし、ラスボスの正体なんか初っぱなからミエミエだし、しかもそいつのフニャフニャしたクーデターもどきがクライマックスで拍子抜けだし、ジェイがアンドロイドであること故のカッコ良さ、ペーソスなんかまるで出てないしで、スタッフのイメージ貧困ぶり、またシリーズ構成段階での練り込み不足が際立ってしまっている。
アンドロイドとしてのジェイに、一つでも良いから本作オリジナルの味付けをし(ひいてはそれがアクション演出の全てに影響するから。強制排熱機構?あんなのじゃ古すぎ地味すぎ弱すぎるよ)、全話を通しての起承転結をハッキリつけるよう配慮すれば(例えば「特務課に腕っこきのはぐれ者が集まってくる」というフォーマットは、もっと早くに、クライマックスへの陰謀劇とパラレルに示しておくべきだった)、相当に作品の印象が改善されたのではないかと惜しまれる。
監督の赤根和樹氏(エスカフローネの人ですね)は、「COOLなモノばかりの現代に、いささか暑苦しい作品を作りたかった」てなことを仰っているが、作品の雰囲気はむしろ十分以上にキザで浮薄である。氏はそんなズレた能書きを言う前に、自身がクリエーターとしてのもっと熱いマインドを持ち、作品の隅々にまでそれが通うよう心を砕くべきであった。
しかし冒頭書いた通り、だから視聴に堪えないという程にはつまらなくもないのです。「楽しめる」とまで言うと言い過ぎになるが、少なくとも見ていて不快ではない。それはシンプルな娯楽作品を、邪気無く生真面目に作ってるからじゃないかなあ。
「アルジュナ」や「ジーンシャフト」のように、無意味な修辞だのウンチクだのをただ羅列したようなインチキ演出は徹底的にボコってやりたいが、「ジェイ」の垢抜けなさ、鈍くささには、「次にもっと頑張ればイイじゃん」とエールを送りたくなる。それは「見る人を楽しませたい」という誠意が最低限盛られているからだと思います。
つ〜わけで、「ジェイ」自体が駄作凡作であることは確かだけれど、こういう真面目な姿勢で精進を続けるならば、花穂、サテライトを応援しちゃう!フレ〜、フレ〜、サテライトちゃま〜!・・・・ふぇぇ、バトン落としちゃったァ〜(*^^*)
追記・本作をして「ターミネーター2へのオマージュが感じられる」と書いているレビュー記事をどこだかで見かけたことがある。少年(ダイスケは青年だけど)と、それを護衛するアンドロイドというキャラ配置は確かに似ているが、あたし的には、はしっこい小僧がチョロチョロしてピンチに陥り、そこへソフト帽とロングコートのオッサンが助けに来るというドラマフォーマットから、どうしても「妖怪人間ベム」を連想してしまう。ジェイの風貌からして「フランケンロボ」も入ってるかもな。
追記2・動画及び背景美術には相当量3DCGが使用されているらしいのだが、それがさほどには浮いて見えず、なかなか上手く通常作画と馴染ませてある。3D作画の自己主張が強すぎてイヤミに感じられる作品も多いが、ジェイはその点好印象ですね。
陸上防衛隊まおちゃん
面白いとかつまらないとかいう俗な概念を乙女座ソンブレロ星雲の向こうまでブッ飛ばす衝撃作。これ以上にどうでも良い作品というのをちょっと思いつかないくらい、究極的にどうでも良い内容だ。あうえう〜。
もちろんこれだって萌えなんだろうから内容がどうでも良くたってそれこそどうでも良いんだが、はて何の萌えでしょうか。まんま寸胴の小学生萌えか?異常にどうでも良い内容に合わせて萌えの対象もどうでも良いんでしょうか。まあどうでも良いか。
こういうのは何だか知らないけど何だかが琴線に引っかかった人が楽しめれば良いので、そうでない人は無視したり家計簿つけてたりするのがよろし。あたしはいつも通りストレッチしてましたけどね。
ちなみにキャラデザや作画の雰囲気は萌えというには地味であり、それがこの作品のどうでも良さにはマッチしてる(死語)気もするな。そも原作マンガがそういう味なのかもしれないけど。
追記・本作をして、我が国の脳天気な国防体制の戯画化と読み解く向きも一部にあるらしい。如何様そうも見えるが、しかしそうだから作品として成立しているかというと全く別のハナシだからなあ。まあどうでも良いけど。
追記2・などと突き放しつつ、最終盤はそこそこに良い味が出てきて、またちょっとホロリとさせられるエピソードなんかもあって困ったけれど。国防だの何だのと生臭いこと言わなきゃもっと楽しめるのにさあ。まあどうでも良いか。
朝霧の巫女
「陸上防衛隊まおちゃん」とニコイチで「熱血電波倶楽部」というスチャラカ30分番組を成しているその片割れ。これも原作マンガ付きアニメですね。
内容的には、う〜ん、まあ良いんじゃないでしょうか。
女子高生の巫女さんチームが妖怪さんチームと戦うという、シノプシスだけ聞くと死んだフリをしてやり過ごしたくなるような作品ではあるが、実際見てみると特段イヤ感を覚えることもなかったし。
つっても面白くはないですよ。見事につまんないよ。そも実に他愛もないオハナシだし、キャラ(特に主人公側)は弱いし、アクションシーンの演出はステレオタイプの極みだし、シリーズ構成が悪くてクライマックスはちっとも盛り上がんないし、ラスボスは何しに出てきたんだかサッパリ分かんないしと欠陥累々。作画も中盤には大崩壊しますし、アニメ作品として総合評価をすれば決して高得点は出せないッす。
それでも本作からは、巫女萌えヲタ向けにただ絵を並べただけ、みたいな邪気はさほど感じられない。陳腐とは言えストーリーらしきものがあるし、その中でキャラの心情を表現しようと、拙いながらもスタッフが努力をしているのが分かる。
キャラとしては弱いけれど女の子たちはおしなべて可愛らしいですし、そこそこコミカルな味も出ています。哀しい運命に呪縛されながらも根はお人好しで三枚目の敵幹部(?)など、ベタながらペーソスをそそる部分もあります。決して褒められるような仕事ではないけれど、コメディとしての最低要件は備えていると思う。大感動したり大笑いしたりは出来ないでしょうが、こういう、ヒマつぶし程度に眺めて楽しむような作品もないと世の中寂しいよ。
まあセットになってる「まおちゃん」がアレなので比較上マシに見えるだけだということもあるだろうが、取りあえず「可」と・・・・・え?「付喪神(つくもがみ)」の巻でボロボロに泣かされてしまった負い目で点が甘くなっているんじゃないかって?
ば、バカね。いくら「箸が転んでも泣く」と揶揄されてるあたしだって、こんなアニメに泣かされるほど安くないってのよ何言ってんの。ホホ、オホホホホホホホ!!
追記・珠ちゃんは殺人的に可愛いですね。まるで少女の頃のあたしのようです。(犬のナナこと現役中学生CVの長谷川静香ちゃんがイイ味出てます)
追記2・千佳ちゃんはルックスだけはとっても可愛いですね。まるで少女の頃のあたしのようです。
追記3・菊里ちゃんはウブで気弱でドジっ子なところが少女の頃のあたしのようです。あ〜あたしが一杯だ〜。
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