No.68 このアニメはこう見やがれってんだ!(27) |
Wind -a breath of heart- |
アヤナミがプログナイフを振り回して街中暴れ回ってるので皆さん外出を控えましょうという物騒なオハナシ。ラストは主人公が飯綱落としでアヤナミを倒す。 ヒロイン(アヤナミに非ず)の粘着質かつ狭量なキャラ性が印象的で、主人公にオイコミかける迫力はヤクザ屋さん顔負け。こういう女の子、男子は苦手だと思うんだけど・・・ ちなみにキャラのビジュアルはとても可愛く、作画、美術とも上質なのは良いと思います。 |
月は東に日は西に |
毎回15分というコンパクトな尺が嬉しいオツマミラブコメ。面白くはないが、あ〜つまんね〜な〜!と血管浮き出る前に放映時間が終わっちゃうので、あと口サッパリなのはイイんでないかい。他の番組もこうしろ。 ストーリーやドラマには全く見るべきモノ無しだが、女の子たちが皆可愛く、親しみやすいキャラに描けているのは手柄だし、互いに思いやり、支え合う、仲良しグループの絆がそこそこ上手く表現されていることにも好感が持てました。こんなクラスメートばっかしだったら、あたしも今みたいにヒネくれたりゃしなかったのに(ウソ) |
忘却の旋律 |
GAINAXという会社の恐ろしさをバキバキ思い知らされる快作。 やたら濫造されたために今や一つのジャンルを形成しつつさえある「戦後日本メタファーもの」の中では群を抜く文芸の面白さと完成度を誇り、一方でまたハラハラドキドキワクワクするマンガ映画の楽しさを存分に味わえる。銭ゲバのエヴァ商会とも思えない立派なお仕事に面食らいましたよあたしゃ。 さて本作の世界は「モンスター」なる者たちによって支配されているのだが、しかるに人々は、普段自らが支配下に置かれていることにまるで無自覚だったり無頓着だったりする。 そも「モンスター」とは何者で、どこからやって来たのか等ということは劇中一切描かれない。ただ「かつて人類を戦争で打ち負かした」存在であると説明されるだけだ。 激しく悲惨だったというその戦争に敗れたはずの人類はのうのうと平和を貪っているし、街が戦災で荒れ果てているわけでもない。しかし一方で、奇妙な虚無感や、他者、あるいは世界への無関心といった退廃的な空気が巷には満ち満ちている。 即ちこの世界の「モンスター」とは、戦後日本の「現実」のカリカチュアであろう。 人々は自らの意志で「生きている」のではなく、まやかしの自由が担保された箱庭の中でただ「生かされている」のであり、しかし普段はそのことに目と耳を塞いで暮らしているのだ。あたかもモンスター(現実)などは世界の何処にも存在していないかのように。 そしていざモンスターを目の当たりにしたとき、つまり「現実」の存在を認めざるを得なくなったとき、人々はそれに耐えられずに石になったり人形になったりしてしまう(自らが真に自我を有した存在ではないことを体現してしまう)。例え話としてなかなか巧みだし、絵的にも分かりやすいアイデアだ。 一方で、モンスターを見ても石化したりはしない一部の者たち、つまり「現実」を直視し、独自のアイデンティティを模索して「生きて」いこうとする「メロスの戦士」たちは、その主張が真っ当であるが故に社会から疎外され、孤立を深め、果ては「人々が『生かされている』だけで良いのであれば、せめてその(幻想であるにせよ)安寧をオレが見守ってやろう」というシニシズムに到達してしまう。 つまり彼らは「現実」を是として追認することにより、自らがモンスターの一部となってしまうのであるが、そのことは「モンスターキング」という名で立ちはだかるラスボスが、元は傑出したメロスの戦士であったという設定に鮮やかに象徴されている。 本作が優れているのは、そうした強烈なテーマ性が、エンタテイメント性と非常に高いレベルで親和していることにより、見た目に軽妙かつユーモラスな雰囲気で全編が貫かれている点だ。 だからテーマ云々ということには興味のない視聴者も、メロスの戦士たちの活躍をただ眺めているだけで十分に作品世界を楽しむことが出来、この手の戯画アニメにありがちの、やたら鯱張ったり押し付けがましい調子になったりという弊には陥っていない。 恐らくは狙ってやっているのだろう80年代風の作画や背景美術、また遠音ちゃんやゆかりん・・・じゃなくてココちゃんによるイヤミのないお色気シーンも好印象。2004年度放映のアニメシリーズでは第一等の好編として推したい。 追記・メロスの戦士の1人1人がアイバーマシン(愛馬マシン?)と呼ばれる専用バイクにまたがっているという設定は、少年マンガ風のキッチュさがすごくイカスと思う。ただそれぞれの必殺技が、ビジュアル的にも能力的にももっと差別化されていれば数段面白くなったろうと思われる点は残念だ。 追記2・ボッカを鮮烈に演じきった桑島氏には脱帽。ただ上手いのではなく、執念で役に食らい付いているような迫力が毎度ステキだ。 ちなみにマミマミはいつも通りのマミマミであり、なーにが能登カワイイよ能登か!(前にも書いたよ)ていうかオメェは寝てんだか起きてんだかイイ加減ハッキリしろっつーんだよ!(前にも書きました) |
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