No.54
あたしをスキーに連れてって(2)
ラスカル流スキー場滑り歩きカタログ第2弾にゅ。今回は中央道及び白馬エリアの巻。
それにしても、改めて書き出してみると我ながら色んなスキー場を滑ったものにゅ〜。
岩岳スキー場
白馬エリアでは何となく体育会系みたいなイメージで見られているスキー場である。
隣が栂池だからそれと比べると硬派な印象があるのかもしれないが、いざ滑ってみると特に壁が多いわけでもなく、コース的には何でもアリのよろずスキー場という感じがしました。
ちなみにここにはイヤな思い出があります。
ある冬友人たちと3人で宿を取って出かけようとしたのですが、出発前に1人が急用でリタイア。仕方なしに2人で出かけたのですが、初日の晩はペンションで寝ていたら大きな地震が来てベッドから転げ落ちる。
2日目は冷たい雨。しかもその雨の中、乗っていたリフトが故障で止まる。ずぶ濡れのまま長時間宙吊りです。
何か祟られてるみたいだからもう帰ろうと自動車に乗ると、その車が道路脇の側溝に落ち、ジモティのランクルにウィンチで引き上げていただく羽目になりました。恐るべし岩岳!!(友人に言わせれば、あたしにロクな霊がついていないためだそうですが)
エコーバレースキー場
ブランシュたかやまのすぐ隣にあるスキー場で、何で「エコーバレー」かというと、元々「山びこ谷」と呼ばれていた土地にあるからだ・・・・ってそのまんまですが。
あたしが行ったのは一度だけで、それもブランシュたかやまとハシゴして滑ったんだけど、コースそのものはともかくリフトの効率が悪くてあまり楽しめなかった。ズバッと一本、麓から山頂までゴンドラ架けちゃえば良いのにさ。
いずれにしてもこの辺りの人工スキー場は単体ではどうしても力不足なので、2カ所3カ所とまとめて滑るなど、スキーヤー側が楽しみ方を工夫する必要があるなあと思ったり。
小海リエックススキーバレー
中央高速沿いにはバブル期にいい加減な人工スキー場がボコボコ出来ましたが、ここはその中でも良質なリゾート空間を提供していた所です。
オープンしてすぐの頃に数回利用しましたが、当時最新鋭の海外製クワッドリフトや、センター施設の清潔さに感激しました。
コース規模は小さいですが、レイアウトの上手さとロケーションの良さでとても良い雰囲気を出しています。
あたしがようやくシュテムターンをマスターできたスキー場としても思い出深いものがありますね。
黒姫高原スキー場
あたしはいわゆる信越・志賀・妙高エリアというところであまり滑ったことがない。以前は高速が繋がっておらず、東京からだと車では行きにくかったからだ。
一度だけ大勢で車を連ねてこのエリアへスキー旅行に行ったのだが、途中高速から下りた一般道の部分でムチャクチャに渋滞し、到着がとんでもなく遅れるという、最初からミソの付きっぱなしな旅行となってしまった。
その時に黒姫高原を滑ったんだけど、あたしはまだまだ初心者だったということもあり、とてもコースを楽しむという心境にはなかった。だけど全体に古くさくて垢抜けないスキー場だなあと思ったことは覚えている。
今回ネットでコース図を見てみたら、何だか効率の悪そうなチマチマしたレイアウトで、当時の印象はあながちマチガイじゃなかったなと思ったり。ちなみに今では黒姫高原スノーパークという名称になっているそうです。
サンアルピナ鹿島槍・青木湖・白馬さのさかスキー場
白馬エリアの手前に青木湖、中綱湖という小さな湖があるが、それを望む格好で設けられているスキー場がこれ。
それぞれは独立しているが、相互に滑り込めるし共通券もあるから実質的には1つのスキー場と言っても良いだろう。
コースは緩斜面が中心で、中級者以上が滑っても大きな満足感というか征服感は得られない。すぐ近くに八方や五竜という一流どころがあることからも、人気の方は今ひとつだ。
だけどあたしはこのスキー場が大好き〜。(不意に亜里亜調)
不人気故に平日はかなり空いていて、緩斜面を高速でぶっ飛ばせるし、しかもコースの多くが湖に向けて滑り込むレイアウトになっているのが素晴らしい。グングン迫る蒼い湖面(青木湖は不凍湖)に胸はドキドキ、キュン、フニッってなる。コースの資質だけがスキーの楽しさを決めるわけではないという好例である。
晴れた日にはノンビリコース上に寝ころんでくつろぐのも楽しい。キラキラ光る湖を眺めながら飲んだビールの美味しさは一生忘れられません。
しらかば2in1スキー場
元はしらかばスキー場という素っ気ない名前のマイナーコースだったらしいが、バブル期に名称を変更して何となくアーバンな雰囲気を出すことに成功したセコイやつ。にしてもツーインワンというのは何だろう。どっかと合体してリニューアルしたということなのかな。知らないけど。
一度だけ滑ったけど、コース的には何ら刮目すべきモノは無し。でも人工スキー場としては及第点以上の資質は持っているとも思う。余所が混んでたら行ってあげてもイイかなって感じ。
白馬五竜スキー場
以前は白馬五竜とおみスキー場という名称であった。
白馬エリアの盟主八方尾根に次ぐナンバー2というポジションにあるが、これは今後も変わることはないだろう。ていうか永遠に八方の上に立つことはないんじゃないかな。
もっともコース自体は面白いし、ロケーションだってさすがは白馬という素晴らしさ。しかし何かが足りない。コースの幅、繋がり、ギャップのメリハリ・・・どれも八方に比べると何となく劣って見える。
それは施設を改善してみてもHakuba47と接続してみても逆転できるアドバンテージではないと思う。つまるところ五竜が白馬ナンバー2に甘んじなくてはならないのは、そこが「八方ではなくて五竜だから」なのだろう。
ちなみに今はどうなってるのか知らないけど、以前は上部と下部のゲレンデ接続がひどく悪く、故に上下に分断されたスキー場というようなイメージがあった。こんなところも不人気の原因であったかもしれない。
上下接続のネックとなっていたチャンピオンエキスパートというコースはそれは恐ろしいコブだらけの崖であって、最初にここに来たときあたしはもちろん入ることが出来なかった。しかしその翌々年くらいにはスルスル降りられる(誇張だぜ)ようになり、きっちりリベンジを果たしたのであった。
Hakuba47スキー場
八方尾根と白馬五竜の間にあるスキー場で、開設は91シーズン。白馬エリアとしては実に20年ぶりに登場したニューフェイスであった。
コースの規模はこのエリアとしてはやや心許ないが、新しいだけあって設備もサービスも垢抜けており、そこそこ楽しく滑った覚えがある。
メインストリートから少し入ったところにあるが、駐車場が完備されているのでむしろこのエリアでは便利が良い。今はどうだか知らないが、八方の駐車場関係はホントに不便でどうにもならなかったからである。
その後となりの五竜スキー場とは相互に接続したそうで、となると少なくとも規模においては八方に比肩しうるコースになったと言えるだろう。どうか末永く頑張っていただきたい。
八方尾根スキー場
白馬エリアの王者たる超有名スキー場。本州にあるスキー場としては、その人気やステータスで苗場と二大巨頭だろう。
実際八方のスキー場としての資質はそれはそれは素晴らしく、ロケーションもコースも凡百のスキー場が束になってかかっても敵うまい。八方と、例えばカムイみさかスキー場とでは、キングギドラとイトミミズが戦うようなものである。(戦うかい)
もちろん八方にだって色々問題はある。つかありすぎる。
コースは全山これハードであり、だのに初心者が有名スキー場だからという理由だけでワンサと押しかけ、故に危なくて何処も快適に滑れないとか、週末ともなるとディズニーランドみたいな混雑ぶりだとか、駐車場が整備されてないのでゴチャゴチャしたペンション街を長距離歩かないとゲレンデにたどり着けないとか、兎平109の入り口段差がきつくてズッコケたあたしがコーヒーを頭からかぶったとか、いやそれはどうでも良いが、とにかく古くて巨大故、小回り良くリニューアルしきれないもどかしさというのがスキー場全体を覆っています。
ではだからそれらを全部解決し、初心者を八方から閉め出せば良いのかと言えばちっともそうは思わないのが奇妙なところ。何と言いますか、そういうネガティブな面もひっくるめて八方の魅力だという気がするんだなあ。
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←第一ケルン付近にて |
そもあたし自身が初めて八方を滑ったのは初心者の頃、ようやくボーゲンが回せるかなってレベルだったんだけど、だからこのスキー場をその難度故に嫌いになったかというと全然そんなことはなかった。
兎平→リーゼンスラロームという定番コースを何と2時間近く(!)もかけて下り、名木山へ着いたときには右足を捻挫してヘロヘロになっていはしたけれど、それでも胸を熱く満たしていたのは、このハードなコースを諦めずに降りきった満足感であり、山頂で見た息を呑むようなアルプス景観への感動であった。初心者だけれど、このスポーツはずっと続けていきたい、上手くなりたいという負けん気であった。
八方には、ど素人をも一発でそんな気にさせてしまう力があるのである。だからこの山は上級者だけで独占せずに、また不便は不便で味として楽しんでしまうような余裕が欲しいと思います。
ちなみにその後そこそこに上達したあたしはリーゼンだってサクサク降りられるようにはなったけれど、しかしリーゼンの方であたしをサクサク下ろしてくれるかというとそんなことはなく、混雑と悪天候のどちらかに邪魔をされて立ち往生という経験ばかりさせられた。
たった一度だけ、ピーカンでしかもガラガラというリーゼンを滑ったことがあるが、あの一瞬のあたしは日本で一番幸せな女の子だったと思います。
富士見パノラマスキー場
バブル期にトチ狂ったリニューアルをしたスキー場は星の数ほどあれ、中央道沿いではここがとびきりイカれていたんじゃないかな〜と思います。(失礼)
元は狭くて小さなコースが3本くらいある「村民のスキー場ごっこ」という感じだったのだが、第3セクター方式だか何だか知らないけどドカンと無茶な予算が付いたらしく、いきなり山のてっぺんまで最新型のゴンドラを架け、そこから麓まで3キロ近いコースを新設してしまった。
しかし小淵沢という中途半端な場所にある人工スキー場がそうそう繁盛するはずもなく、案の定平日などはゴーストタウンならぬゴーストバーンと化してしまったのでした。
だけど平日がヒマだったあたしにはそれが魅力で、ゴンドラ一気を何本もかけて楽しく遊んだものです。滑るべきコースは事実上一本しかないわけですが、そのコースが実に快適にクルージング出来ました。
レストランに入ると、地元のバイトらしい女の子に「スパゲティ食べてください。すごく余っちゃって」とか哀願されて困っちゃったのも良い思い出です。
恐らく今でも赤字で大変なんじゃないかと思いますが、悪気のない可愛い印象のスキー場だっただけに、何とか頑張って続けて欲しいです。
ブランシュたかやまスキー場
諏訪エリアでは最も規模の大きいスキー場の1つだが、すぐ近くに車山スキー場があるのでイマイチマイナーな感がある。
バブル期にクワッドが架かったので一度行ってみたが、コース自体はなかなか滑り応えがあるものであった。
ロケーションも悪くないんだけど、やっぱり人工スキー場なので、どうも周囲の山々が普通に茶色かったり緑だったりするのが気になる。それを見てると現実に引き戻されてしまうのである。スキーというのはリアルワールドから切り離されていないと心底楽しめはしないんだなあというのが良く分かります。
妙高杉ノ原・妙高国際スキー場
現在では妙高杉ノ原スキー場として統一されているようであるが、バブル期にはまだ2つのスキー場として並立していた。妙高国際スキー場というのは地元開発によるもので、山頂部で杉ノ原スキー場と繋がっていたのだ。
もっとも当時から経営は国土計画に委譲されていたし、リフト券も共通化されていたから、滑る分には1つのスキー場と思って全く差し支えなかったけれど。
あたしが滑ったのは初心者の頃に一度だけだけど、いかにもコクドらしい、ゴンドラとクワッドをザッザッと架けた、シンプルで垢抜けたレイアウトに感心した覚えがある。スキー場はこんな風にカッコヨクなくっちゃ。分かったかよ石内!
快適中斜面が長く滑れるのも魅力で、と言っても当時のあたしのスキルでは楽しみきれなかったのも事実だから、機会があったら是非再チャレンジして征服してみたいスキー場である。
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