No.80

このアニメはこう見やがれってんだ!(38)

 
 

機神大戦 ギガンティック・フォーミュラ

 
 放映中、その節操のないパクリっぷりを「機動武闘伝Gエヴァンゲリオン」などと揶揄されていたアニメで、いやパクること自体は全然かまわないけれど、結果出来上がった作品がクソつまらないってことの方は困りモノだァね。



 多数の人気メカデザイナーらの手になるロボットたちを競演、勝ち抜き戦をさせようという企画骨子は楽しくてとても良いと思うのだが、せっかくのそのアイ デアを完膚無きまでにスポイルしちゃってる文芸と演出は、大人しいあたしでも思わず消費者センターにチクリtelかましたくなるほどのド不良品。ヒドイの よホント。



 こういうジャンクには、「きむらひでふみが書くモノは大抵つまらないが、本作は中でも一頭抜きん出ており、人間というのは努力次第でこんなにやくたいもない作品を作ることが出来るんだなあと感心させられる」と、以前に書いた他作の評をコピペしときゃ十分だろう。
 
喜久子姉様の巨乳キャラ声や、矢作紗友里氏のロリ声を聞かなきゃ死んじゃうというカス人間以外にはオススメ出来ませんな。



 追記・フラフラと動きに力感の伴わない、低レベルな3DCGアニメートにはウンザリ。いくらTVシリーズでも、今日日もうちとマシなグレードのモノを見 せないと、目の肥えてきた視聴者はソッポでしょう。7年前のヴァンドレッドのがまだマシな気がするんだから呆れちゃうじぇ。
 
 

かみちゅ!

 
 80年代の尾道市(がモデルとなっているらしい地方都市)を舞台に、ある日突然「神様」になってしまった女子中学生と、彼女を取り巻く人々との群像を描いたスラップスティックコメディ。
 倉田英之氏や舛成孝二氏など、あの「R.O.D」のスタッフが参集して制作している。



 
文芸は「R.O.D」同様、生煮え感が甚だしい。
 まあ倉田脚本はおしなべてそうなんだけれど、どのエピソードも起、承の段階から弱すぎるし、またそれを上手くヒネってオチに繋げるという作業が出来ていない。



 しかし本作の場合は、キャラやこの世界に対するスタッフの強い愛情が、そうした文芸のマイナス面を埋め合わせるのみならずプラス方向へ100倍押し戻しており、作品ってのはそれぞれのパーツを不足なく作ることよりも、愛こそがやはり大切なのだと再認識させられる。
 恋愛相談の巻とか生徒会選挙の巻、それに最終回なんかなかなかイイ話で・・・ち、チクショウ、あたしはポロポロ泣いてしまったぞ!



 内容について。



 主人公、一橋ゆりえはダメ人間である(中江真司の声で)。
 トロくてマヌケで気弱で上がり性で物ぐさでネボスケで暑がりで寒がりで内弁慶で甘えん坊。勉強もスポーツもろくに出来ず、人並み以上なのは依頼心の強さくらいのものだ。



 しかしそんなゆりえにだって美点はある。見ていて胸が痛くなるほどの善良さがそれだ。
 他者の身の上相談で我が事のように思い悩み、立場上やむなく吐いた些細なウソに打ちのめされ、困っている者には、それが人であれ動物であれ宇宙人であれ、取りあえず何某か手を差し伸べようとする。
 そんなゆりえに接した人々は、皆いきおい、その善意に報いたいと願い、物語はさしずめ「ダメ人間版ポリアンナ」のような色合いを帯びる。



 
「か みちゅ!」があたしたちの胸を打つのは、そこで描かれるのが、貧乏くさい互助の徳や、まして絶対者の万能などではなく、善人が、その善良さ故に、他者にも 自らにも幸いをもたらすという、ごくステロタイプの、しかしだからこそ常に求められている、シンプルなお伽噺だからである。



 何でも「かみちゅ」の呪文一発で片付ける安直なオハナシという批判は、だから当たらない。
 肝心なのは呪文ではなく、それを無邪気に唱えるゆりえの姿が、人が生来的に備えている善なる面そのものの戯画だということであって、彼女の神性はまさにその人となりにこそ宿るのだ。



 悪徳ばかりが蔓延り、金で何でも買える等とほざく浅ましいブタが跋扈する現代に生きて、なるほど世の中ってそんなモンかと勘違いしちゃったりしてる哀れな子供たちに是非見てもらいたい、「かみちゅ!」はそんな、愛すべき小品である。



 追記・ヒロインのゆりえちゃんがとってもカワイイ。プッとカエルみたいなふくれっ面になるとこなんか、ちょっともう反則気味にカワイイ。
 
こういう、クラスで便利に使えそうな、根っから手下タイプの女の子、あたし大〜好き!
 本作が声優デビュー作となったMAKO氏のCVも、その素人臭さ(トンデモな棒読み)がキャラのトホホぶりに絶妙マッチで好印象でした。



 追記2・本文では文芸とキャラにばかり行を割いてしまったが、ビジュアルの素晴らしい上質さにも心から敬意を表したい。
 作画にも美術にも、この世界に魂を吹き込みたいという作り手の緊張感が満ちており、見ていて背筋の伸びる思いがしました。



 追記3・主題歌最高!サビなんか聞いてるだけで泣けてくる。エンディング(MAKO氏が歌ってる)もすごくキュートで良かったと思います。



 追記4・火星人の声がやたらカワイイと思ったら、演じているのはもっちーであった。
何だその健気にポンポンとか振ってそうな火星人。


錬金3級 まじかる?ぽか〜ん


 ロリ萌え版ドボチョン一家というか怪物くんというか、いや魔物版GAとでも言うべきなのか、とにかくデッチ上げ感満点のスチャラカ企画。
 たったの15分がとてつもなく長く感じられるこの薄さユルさは、まるで花右京メイド隊みたいだなあと思っていたら、マジで監督は井出安軌氏であった。



 まあキャラの絵はカワイイし、CVも健気に頑張ってるので、白痴のキモヲタ童貞ハァハァ用として、たまにはこんなのもあっていいじゃろ。
 ただ最終回の、取って付けたようなハートウォーミング展開は邪魔くさかったなあ。カラッポのバカ作品のまま終わった方が美しいのに。



 追記・4パターンある、ブリキ玩具風CGアニメのエンディングは、ちょっと洒落てるし可愛くて良かったと思います。特にゆうまちゃんとりるちゃんのバージョンが好き〜。


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