No.95

このアニメはこう見やがれってんだ!(53)

 
 

イノセント・ヴィーナス

 
 ロリでしかも淫売なら人生無敵じゃね?という、付ける薬の無いカス男子の脳内表象アニメ。



 世界観やガジェットは「アキラ」とか「アップルシード」とか「沈艦」とか「フロントミッション」とか、過去の人気作から臆面無くパクってきたものを継ぎ接ぎしてあるが、それで「サクラ大戦」のように上手く(継ぎ接ぎだからこその)ケレン味が演出されているわけでもなく、見た目非常に地味で退屈な印象。


 
 キチンと尺の中で完結させている文芸の折り目正しさ、高め安定のビジュアルには敬意を払うが、そのことがまた「破綻は無いけど小ちゃくまとまっちゃってる」感を助長してしまっているのは皮肉だし残念だ。



 無印マクロスの例を引くまでもなく、多少構成がデタラメだろうが一部作画がヤシガニだろうが、ここだけはスゲェよ!超絶カッケーよ!というウリの部分、制作者の力コブというのをまず見たかったと思う。
 ステレオタイプとかいちいち言うのも空しくなる、ハイパー簡単すぎるオチにもガックリきましたしねえ。
 
 

ときめきメモリアル Only Love

 
 第1〜3話あたりまでを見て、面白いとかつまらないとかいう評価とは別に、なるほどこれは「ときメモ」っぽいと、ちょっと感心させられてしまった。



 濃いィ脇役と非現実的すぐる展開とでスラップスティックを演出している点、それが上手くラブコメと親和している点、鼻持ちならないツンなメインヒロイン、どうしようもないスノッブだが、根は人好しで情に厚いクラスメート、科学担当キャラが基地外、等々、いかにも無印ときメモを想起させる要素や記号を手際よく配してある。


 
 せっかく「ときメモ」を冠してアニメを作るのだから、ファンのツボを出来るだけ突ついてやろうというサービス精神は悪くない、このままガンガれ!とその時点では思ったのだが、3人のヒロインによる主人公争奪というメインのプロットが動き始めた途端、物語は大きく失速してヘロヘロの低空飛行になり、再浮上出来ないままに終了しちゃった感がある。



 そうなった原因は様々あるが、主要なところを1つだけ上げるとすれば、やはり主人公男子の心情に共感出来るような作劇上の配慮が為されていないということに尽きよう。
 何しろこの子、美少女3人による恋の鞘当ての渦中にあって、終始ただボンヤリ突っ立っているだけなんだもんな。



 同じ優柔不断のダメンズキャラに見えて、しかし「めぞん・・・」の五代クンが立派に主人公たり得ているのは、それが裏目ってホゾを噛むにせよ、あるいは思いがけない好結果にウハウハするにせよ、彼なりの誠意とか打算に則って、常に主体的に判断し、行動をしているからだ。
 だからこそ読者も、「ああ、オレならこうするのに!」とハラハラしたり、「よしよし今回はラッキーだったな」と安堵したりしながら、自然と彼の心情に寄り添わされていくのである。
 そんなことはドラマ作りのイロハだと思うんだけど、それに本作が全く無頓着に見えるのは、あるいはゲーム原作アニメだからということもあるのかしれないな。



 キャラはとてもカワイイし、OPテーマは素敵だし、美点も色々とあっただけに、勿体ないコケ方だよなあと思っちゃったあたしなの。
 
 

SUBMARINE SUPER 99(サブマリン スーパーナインナイン)

 
 みっちぃが久々にヒロインを演じていると聞いて見てみたのだが、余りと言えばあんまりなゴミクズっぷりに腹が立つよりも唖然とさせられた。
 
脚本、演出、作画、美術、あらゆるモノのレベルが異常に低い!!(ギャブ様風に)



 こんなモノを世紀が変わってからヌケヌケとオンエアしている連中の神経を疑うていうかもうはや神経と呼ぶべきモノが存在しているのかすら疑問だわ。
 
世界に冠たる日本アニメのクォリティをコレ1本でシャブシャブに稀釈する、まさに国辱級の愚作である。



 追記・ストーリーは思いのほか忠実に原作を追っているが、原作の良い部分(強烈なメカ愛をストレートにビジュアル化している)を全く再現していない一方、ダメな部分、時代にそぐわない部分の方はグロテスクなまでに強調して見せてしまっている。
 
松本御大にせよ藤川氏にせよ、往時のファンが哀しくなるだけのポンコツ老体がどんだけ多いんだって話だよね全くもう。


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