No.100

このアニメはこう見やがれってんだ!(58)

 

ガンダム Gのレコンギスタ

 
 さしもしぶといおハゲ様のディレクター生命にも、さすがに致命的ダメージを負わせるんじゃないかと思われるクズ中のクズ。


 そも面白いだとかつまらないだとかいう以前に、本作は文芸作品ではない。
 それは富野氏自身が「キャラに感情移入出来るように作れなかった」と語っていることからも明らかだが、では何なのかと言えば、せいぜい「ボクの考えた緻密でカッコイイ(笑)未来社会」の設定紹介でしかない。
 よって登場キャラ中、人間としてふるまう者は誰一人としていない。全員が、陳腐極まりないクソ世界を懸命に解説するための石碑としてのみ登場するのだ。
 同じ石碑脚本ばかり書いている野崎透氏のそれと比すれば、鼻持ちならない小賢しさ臭こそ弱いが、ウンザリするほど饒舌な一方、文芸的には全く空疎なことしか語っていないという点で同罪だろう。
 オンエア中、「誰と誰が何のために戦っているのか分からない」と戸惑う声がネットで多く見られたが、分からないのも道理、石碑は人間ではないのだから、戦う理由など最初から持ち合わせていないのである。
 ただ世界の解説をして突っ立っているだけではさすがに怒られるから、せめてもの賑やかしに戦争ごっこをして見せているだけなのだ。
 こんな益体もないモノを、それなりの数の若いファンが「深い」だの「新しい」だのと持ち上げているのを見るに付け、オタ界隈の知性の衰退を憂えたくなるよ。


 
そのファナティックさから「富信」などと揶揄されている彼らはさしずめ、まともなモノを一度も食べさせてもらったことのない底辺の子供だ。
  だから例えば、ポテチとネコ用カリカリを練乳とリステリンで和えたようなモノを「料理」だとしてモリモリ食べまくるのみならず、作った者の企図を何だかんだ忖度して有り難がったりする。滑稽というか哀れというか、本人の味覚やオツムを云々するよりも、御家庭や学校に、も少しキチンと子育てを出来んかったのかいと質したくなるよね。


 ポンコツが作ってポンコツが消費するんだから誰も損してないじゃないかという向きもあろうが、業界の貴重なリソースがこんなところへ突っ込まれるのはやはりナンセンスだ。
 まともな淘汰圧が少しでも働くよう、物の分かった大人の視聴者が、メゲずにチクチクとダメを出し続けるよりないんでしょうね。


 追記・結局富野氏の不幸というのは、そこそこに味のあるコンテマンに過ぎなかった者が、文芸屋も出来ると誤った評価をされ、自身もよしそうかと勘違いをしてしまったことに尽きるのではないか。
 作劇の才など無いのにシノプシスを書き脚本を書きとやらかしまくり、その演出センスも時代と完全に乖離してしまった今、元々のおバカさんぶりや俗物ぶりばかりが際立ってしまっているわけだ。
 と言ってあたしは氏に、いい加減年相応の分別を弁えよなどと求めたいのではない。そんなのは富野氏らしくなくてつまらないではないか。
 要はアニメ作りに関わらないで欲しいだけであって、講演その他での痛々しい言行は今後も大いに披露されるがよろしい。
 
「見た目はハゲ老害、頭脳は子供」の逆コナンとして、最後まで全力で世間の物笑いになり続けていただきたい。


 追記2・せっかく福井裕佳梨氏をキャスティングしておきながら、歌を歌わせないとか勿体なさすぎないか。聞けば死ぬかもしれないあの異次元歌唱力を、肝試し的に楽しみにしてる視聴者だっているんだぜ!(自分だろ
 にしても、とにかく棒だのグラドルの腰かけだの売れない方のゆかりんだの肩幅スゲェだのと散々に言われながら、頭アポーンキャラ御用達声優として地味にポジションを確立しつつある福井氏は立派だと思います。
 
 

H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-


 基地外とヘンタイと犯罪者しか出てこない男女7人メンヘラ夏物語。
 えちぃゲームが原作ということですが、花田十輝、奥田淳両氏のクレジットに惹かれて見てみました。


 とにかく感じたのは、初手から見る人を選ぶ作品だなということ。
 あからさまに部落差別を想起させる、陰惨極まりない村八分やイジメ描写と、パンツだオパイだという知能の残念なエロコメの同居を、視聴者が自身の中で合理化出来るかどうかがキモだと思いました。
 あたしは正直ダメだったけれど、逆にそうしたことが気にならない人にとって本作は、文芸的な見せ場もそれなりに備えた、まずまずの好編として映るのではないだろうか。


 
分けても、主人公の視力と、舞台となる村内の因習、確執が解体していく様をパラレルに描くやり方は上手い。
 クライマックスで主人公を再び盲目にする演出が、村人同士の和解も全て幻想だったのではないかと、視聴者を強い不安に追い込む機能を果たすわけだ。なるほどね。


 また報われない愛に殉じ、命をかけて主人公をトラウマから解き放とうとしたヒロインが、その献身の動機を遺書(となった日記)の中で吐露するシーンの哀切は良かったです。
 全てに絶望し、死人も同然だった自分を再び人間社会へ呼び戻してくれた主人公への感謝を訥々と述べ、「世界を(与えてくれて)ありがとう」と結ぶ。
 彼女の抱えていた孤独と苦悩の深さがしみじみ伝わり、ボロボロ涙が出ました・・・・がそれだけに、あのラストシーンはやっぱブチ壊しだよなァ・・・・


 追記・主題歌と、それをアレンジした劇伴が素晴らしい。メロディも良いけど、サビの歌詞が切なすぐるよね。

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