No.102

このアニメはこう見やがれってんだ!(60)

 

キャシャーン Sins

 
 DVでリリーナ様をボコボコにしちゃったアムロが、やっぱオレのが悪かったかもしんないしもう一度逢いたいよとかロミオみたくなって粘着の旅を続ける道中、こういうお肌ツルツルなヤツのお肉を食えばあと5000年は生きられるぜヒャッハー!ってザコモヒカンがワラワラ襲ってくる末世ロードムービー。
 
夏目雅子の玄奘三蔵かよていうか正直スタッフの頭おかしい。


 世界観がシンプルで分かりやすいとか、作画はシャープかつダイナミックだとか、リンゴちゃんはさすがに皆口裕子なんでカワイイよとか美点も無いではないが、でもまあいい加減辛気臭すぐるよな。
 オリジナルのキャシャーンが明るい作品だったとは言わないが、キックアタック電光パンチに何のカタルシスも伴わないのであれば、わざわざアクションヒーローを主人公に据える意味が無いじゃんかさ。


 
例の実写版「CASSHERN」もそうだけど、制作者の勝手な思い入れだか何だかで散々なポンコツに翻案され、何キャシャーンてダセぇとかお子様から嗤われたりdisられたりする古典の迷惑も考えやがれってお姉さんは思うのよ。
 
 
怪談レストラン

 人は皆大抵怖い話が好きだ。
 霊がどうしたとかいう怪異を全く信じていないあたしでも、子供の頃から怖い話は大好きで、今でもホラーもののコンテンツにはワクワクゾクゾクする。
 人間にとって「怖いもの見たさ」というのは、何か本能的な欲求なのかもですね。


 そう考えると、このアニメ版「怪談レストラン」にはやはり難がある。見ていてちっとも怖くないからである。


 もちろんそうしたユルい造りになっていることには理由があるだろう。
 原作は児童文学であり、メインの視聴者層は小児であろうから、そのトラウマとならないよう、彼らが目を覆ったり悲鳴を上げたりするほどおっかないハナシや絵は流さないでおこうというのは理解できるし、そうした心配りは尊いとも思う。


 しかし真に怖いものを描かないのでは、怪談というジャンルの本質をスポイルしてしまうことにはならないか。
 そしてそれは、「子供向け」ではなくて「子供だまし」ということになってしまわないだろうか。そんなもどかしさを強く覚えた。


 キャラは可愛いのだが、作画が不安定でヤッツケ調なこと、またアイキャッチパートで次の展開をあからさまに見せてしまう構成の無神経さ等も気になりました。
 
 

バスカッシュ!


 サテライトのプロダクツはその大半がクソだが、中でも最大級の山盛り糞便作品がコレ。
 
炎尾燃先生風に言うと
 「体調を崩すくらいに面白くない!!!」
 「なんでこんなもん人に観せる気になれるんだ!?」
 ってなモンですよ。



 制作体制がどうだ監督降板がどうだと色々言われているようだが、失敗の最大の原因はひっきょう、「何故巨大ロボットバスケなのか」という企画骨子が突き詰められていないことではないか。


 原案の河森氏は、「巨大ロボによるスポーツものが流行らないのは、それが競技スペースの中で行われているからだ(だからストリートバスケなら面白くなるだろう)」というような発言をしているが、トンチンカンも甚だしいよな。
 何故そんなものがトレンドたり得ないかと言えば、人間にも当たり前に出来ることを巨大ロボにやらせたって意味が無いからじゃん。


 「(ボールが)ジグザグにパスされるように、どこへ向かうのか予測できない展開の面白さ」っつーコンセプトも噴飯物で、それは予測不能なのではなく、最初から何処も狙ってない玉は何処へも行き着きようがないってだけのハナシだべ。もうどんだけ頭あったかいんだよと。


 
再び炎尾先生の言を借りれば
 「誰か作ってる途中で止めてやる奴はいなかったのか!?」
 とマジで質したくなるが、まあそういう諫言をする者がいないからこその駄っ作濫造機サテライトなのかもしんないね。

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