ノートの街を辞したあたしは、次にシラクーサの街に滞在して考古学地区(ヘレニズム〜ローマ時代の遺跡が大規模に遺されている)を見学した後、東岸を北進してタオルミナの街に入りました。これでシチリアをほぼ一周したことになります。書いてしまうとたったの4ファィル分ですが、実際にはすごく長く旅してきた感じです。
↑タオルミナのホテルから。イオニア海の夜明け
タオルミナはカターニャとメッシナの中間くらいに位置する山腹の街で、東にイオニア海、西にエトナ火山を望む、シチリア屈指の景勝地です。いやもう、ハイパーグッドロケーション!絶景とはこのことです。
しかし問題もあって、街が高いところにあるのに麓からの道路整備が悪く、ごく小さなバスしか入れません。そこで観光客は麓の大駐車場でバスを乗り換えなければならないのです。
↑タオルミナのレストラン街では日本語の呼び込みがスゴイ
ミニバスは麓と街を往復しているわけですが、観光客数に比してその便数がとても少なく、故に駐車場は常にパニック状態。(こればっかだが)
街に上がったら上がったで、とても狭い街路なのにタクシーなどの進入を制限していないため、人の多さとも相まってスゴク歩きにくい印象があります。街そのものはとても風情があって良い街なのに、スイスのツェルマットみたくもうちょっと快適な環境整備をすれば良いのにと思いました。
↑タオルミナの公園から。遠くに見えるのがエトナ山
この街はかつてシチリアの州都でもあった重要都市ですが、現在観光の目玉となっているのは何と言ってもギリシア劇場遺跡です。
目抜き通りから少し奥まったところにあるのですが、保存状態は大変良く、背景には美しいイオニア海と噴煙を上げるエトナ山がズドーンと見えます。マジ素晴らしいパノラマッすよ。
ここではかつて、劇などの他にベンハーよろしく剣奴のトーナメントや猛獣のデスマッチなどが行われていたわけですが、現在でも夏にはコンサートなどが催されているそうです。
↑ギリシア劇場遺跡
ところでさっきからエトナエトナと書いていますが、エトナ山そのものももちろん観光が出来ます。タオルミナあるいはカターニャを基地として観光するのが一般的ですが、もっと山頂近くにも街があるので、じっくり滞在して楽しむことも可です。(バスや鉄道で集落を回れるようになっている)
「エトナ」とは古代ギリシア人がアイトネ(熱いの意味)と呼んだことが語源らしいですが、地元では「ジェベル」と呼ばれています。これはイスラーム支配下での呼び名だったもので、その意味はまんま「山」です。
ヨーロッパ最大の活火山であるこの山には大小無数の噴火口があり、噴煙の上がり方も日によって違うので、上まで上れるかどうかは運次第です。でも機会があったら是非登ってみることをオススメしたいです。素晴らしいロケーションなので。
標高は火山活動によってしばしば変わるのですが、2002年現在では3300メートル前後とされています。つまり富士山よりちょっと低い感じ。
2000メートル近くにあるロッジ群まではバスが入れるようになっていて、そこから上はロープウェーがかかっています。ここは冬になると広大なスキー場として利用されるんです。
あたしが登ったときには新雪が降ったばかりで、辺りは一面の銀世界!その雄大な眺めには本当に感動しました。あんまり寒くてデジカメの液晶がダウンしちゃったけど。
↑エトナ山ロープウェー乗り場付近
といったところで、思い切り端折ってはありますが、一通りシチリア島スチャラカ滞在レビューはオシマイです。
この地中海の宝石が永劫に美しさと共にありますように。またいつか行きたいな。
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