No.52

このアニメはこう見やがれってんだ!(15)

 ニャントロ星直送のアニメレビューコーナーだよ〜!とか毎度書くのも億劫になってきたんで、よし今回からは前フリ抜きで本文書くようにしよう!とか何とか書いているうちにもうこれが前フリになっちまってるではないかいマイッタね。


まぶらほ


 一連のプロデュース作品から察するに、どうやら人は悪くなさそうなのであるが、オツムの方は
昆虫クラスに悪そうな木村真一郎氏がまたも放つ、つまらないアニメの世界遺産というのがあったら登録申請したくなるようなスーパーウルトラゴミクズ作品。
 あの超絶つまらない「G−onらいだーす」にだって、まだ「尺が短い」という大いなる美点がある。でも「まぶらほ」にはな〜んにもないのである。ただただ地獄のように退屈な上映時間がダラダラとあるだけなのである。米国ならば、「あまりにつまらないアニメを見せられて生理が止まった」などと訴訟を起こされそうな程ヨモスエなのである勘弁してよ。



 毎度ワンパターンの下卑たシノプシスなんで、いちいち書くのもアホらしいがまあ一応内容について紹介しておくと、
朝起きたらオパーイとかお尻とかパンツとかメガネ娘とか炉とかいつの間にかムチムチになっていた幼馴染みとか色キチガイの養護教員とか音無響子とかがベッドの周りによりどりみどり転がっていて、ウヒ〜オイラったらどれからしゃぶったらイイのでしょう教えてママン〜!ていう、だからあたしは書きたくないって言ったじゃないかイイ加減殺すぞクソバカ共めが!



 無論作るモノが他愛もないラブコメでも萌えでもソフトポルノでも大いに結構なんだが、そうしたジャンルにもそれぞれ面白いモノとそうでないモノがあるのは当然であって、さっきから百万遍書いてるように本作はその後者であり、それは表現対象への愛やこだわりを一切欠くからである。
 要するに、どんなジャンルの創作物であれ、ただそれらしいパーツを並べておきゃハイ出来上がりってお手軽なモンじゃないだろと、まあそんなことは当たり前なんだけど、悲しいかな
昆虫はそんなこと考えないのかもしれないなあ。



 今となっては、例の「ハンドメイド・メイ」なんぞは、木村氏のリビドーがピュアな形で込められているだけ相当マシな作品だったよなあなんて気がしてくるんだから情けない。制作者も消費者も品質劣化がズドド雪崩式だにゅ。


キノの旅



 電撃文庫で人気を博しているらしい小説のアニメ化で、「lain」の中村隆太郎氏がプロデュースに当たったり、あの前田愛氏がヒロインを演じたりと話題ばっかりが先行していたが、いざ見てみたら力一杯頭が悪くてしかもウルトラ小粒というスカ作品であった。
 何しろこれに比べたら、一連の気障ったらしい小中企画のが、少なくともそれなりの教養の裏付けが感じ取れる分マシに思えるんだから情けない。



 本作は所謂「例え」としての異世界紀行ものである。
 主人公キノが訪れる国々は、それぞれにカリカチュアライズされた人間社会の一断面であって、その愚かしさや滑稽さや美しさを、キノという異物が鏡のように映し出すというのが毎回のドラマフォーマット。つまりはガリバー旅行記のコンセプトを盛大軽薄にして再現していると言えるかもしれない。
 あたしは小説を読んでいないから確かなことは言えないが、そういう幼稚な文学ぶりっこをしてみたい原作がまずあり、そんなものを抵抗無く受け入れてしまう知性スッカラカンの市場があり、それをまた御丁寧に絵にして動かしてみせる慢性企画不足のアニメ界があってという、ここ最近すっかりパターン化してきた情けない構造の産物なのかもしれないな。


 
 アニメ版の何がイケナイと言って、とにかくもうその底なしに頭の悪い作劇構造そのもの。もっと言えば、この作品が、例えば
アニメだとか小説だとかマンガだとか、つまりエンタテイメントの形を取る必然性が全くないことだ。



 何しろ主人公キノは、眼前に繰り広げられるあらゆる事象に対し、物語の登場人物たるリアクションを全く起こさないんだもん。何があってもああそうですか、大変ですね、ほなサイナラってなもんで、つまり世界との関わりを自ら拒絶しているのである。
 そんなことをやりたいのであれば、例えば名画や歴史遺物の資料、悲惨な戦場写真などを適当に並べ、「ハイ、人間は偉大ですね、また同時に愚かしいですね、だけどそんなもんなんですよ実際ね」と書いた立て看ででもフォローしておけば事足りる。オハナシにする必要なんかまるでないのである違うかね。



 アクションなどが眼目なのであれば、ニヒルな主人公がニヒルに暴れながら旅を続けるだけというような作り方でも良いだろう。
 しかし本作はそうではないのであり、であるならば主人公たるキノは、彼女が出会う事件や人々との間に何某かの心情や価値観を共有しなければならなかったはずである。それをしないのだから、スタッフは根本的に作劇への才知を欠いているか、あるいはそも文芸としてお粗末に過ぎる原作をどうにも料理しかねたかのどちらかだろう。



 毎度くちさがない?だいじょぶキノ君はこんなことじゃ怒んないよ。カニバリズムを目撃したって、
「ボクたちは人間なんだ」でチョンだもん。
 全く持って

 みたいな。


妄想科学シリーズ ワンダバスタイル


 毎度焦点の定まらない、何を言いたいのやらサッパリ分からんスカスカ作品ばかり連発している六月十三&ワンダーファームによる企画で、頭のおかしい少年科学者が、月へ行くためのテストパイロットとして雇った全く売れないスカアイドルグループに無理やりワンダバさせるという、くだらないく〜だらないアニメ。



 オハナシがつまらないだけならまだしも、各キャラは全く立ってないし、そも主人公が不在だし、ヒロインたるアイドル4人組は出てくる意味が皆無だし、スタジオぬえみたいな寒くて頭悪いギャグばっかでダミだこりゃ!・・・・と言いたいが、見ていてそうひどくは不快にならないのが奇妙で、まあ隅の方で大人しくしてる分にはたまにこんなのもあってイイかな。何となくゴミなりに悪気の無さそうな作品だし。



 ちなみに清水ロリロリ愛、もとい人工衛星キクちゃんだけはとっても可愛いです。もっと言えば、本作は清水氏とキク8号のためだけに存在するようなものでしょう。
 だけど後半のヘンに自我の芽生えたキクちゃんより、番組開始当初のいつもニコニコ超然としてた時のが良かった気がするなあ。OPでボタンを叩いているポーズが一番ラブリーだったと思います。


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