No.69

このアニメはこう見やがれってんだ!(28)

 
 

神無月の巫女

 

 
パートナーを寝取られてブチ切れた気違い女が何故か巨大ロボで間男に殴りかかるという甚だ御近所迷惑な百合エロマンガ。
 ストーリーがゴミクズだというだけでは説明のつかない異様なつまらなさなんで、調べたみたらば原作マンガが介錯と分かって納得したりゲッソリしたり。



 
いつも思うのだが、介錯原作アニメって本当に需要なんかあるのだろうか?
 あたしは花田十輝氏のお仕事には敬意を払っているのだが、その氏にして、介錯印を扱うとなるとこの体たらくなのだ。それはそもそも素材が煮ても焼いても食えないようなモノだからではないのか。仮にそうだとすると、腐った食材を仕入れている料理屋に行列の出来る道理など無いと思うのだが。


 
 アニヲタ共がこんなジャンクを真に楽しく消費して屈託無いのであれば、本作の出来がどうのと言う以前に、各家庭の文化、教養レベル、あるいは小学校の国語教育といったものから根本的に改善していくしかないんだろうなあ。
 まあサルのやることに対し、バカだ不衛生だといちいち人間が容喙するのはナンセンスか知らないが。



 追記・ちなみにヒロインは超ウゼェキャラったらない。
 学校に時々いるんだよな、こういう「私が悪かったの、全部私のせいなの、私は何も出来ないの、ああどうしたらイイの?」とか何とか泣いたり弱い娘ぶったりしてそれで男子にモテてるクソ女。
 前にもどっかで同じようなこと書いた気がするが、あたしが同じクラスだったら絶対タダじゃおかない。クラス中の女子で取り囲んで説諭してやる。
性格をタメ直さないと、結局本人が困るんだからね。
 
 

砂沙美☆魔法少女クラブ(シーズン1、2)

 
 番組開始前には、BPSよろしく過去の人気キャラを適当に動かしてパンツもお乳もポロリしてドサクサで儲けちまえというスチャラカ企画だと思っていたのだが、いざ始まってみれば異常にクソマジメ、かつ地味〜なハートフルコメディだったりしてビックリしたなあモウ。



 
本作は、砂沙美というキャラクターを、これまでの天地シリーズとは微妙に異なる人物像として設定していることが特徴となっている。
 つまり可愛くて利発で気だてが良くて運動神経もバツグンで家事全般何でも来いという完全無欠の美少女ではなく、何につけニブくてドジっ娘で不格好にお腹を突き出しながらヨタヨタ走るという、いささか頼りないと言うかダメだこりゃ感の漂う女の子が本作の砂沙美ちゃん。仲間たちから要領の悪さを揶揄されたりすることもしょっちゅうだ。
 でありながらこの砂沙美ちゃんは、魔女っ娘五人組のまとめ役としてのコンセンサスを自然と得ており、ではなぜそうなのかということが、そのまま本作のテーマと結び付いている。



 魔女世界の指導者たちから散々に悪計を仕掛けられ、対決は不可避だと口々に主張する仲間たちを前にして、彼女は決然とした調子で言う。
 
「私は魔女さんたちとオハナシがしたい(何故こんなことをするのか聞いてみたい)!」
 その広々とした心、そして(少々鈍感とすら思える)勇敢さに圧倒される仲間たち。ちょっと見冴えないヤツだけど、でも何てスゴイ娘なんだ!と。



 砂沙美のそうしたキャラクターは、「平和と人命は何よりも大切です」などという白痴じみたサヨの寝言とは違い、そのことによっていかにバカを見ようと、あるいは命を失うことになっても、相互理解のために力を尽くそうとする覚悟こそが尊いのだという、本作の泥臭いメッセージを上手く体現している。
 偏狭な暴力主義のみが声高く叫ばれる昨今の世界にあって(どうにもならないゴロツキ国家を隣に抱え、いきおい安全保障においてヒステリックにならざるを得ない我が国では殊に)、そうした理想主義を愚直に問う理性が、フィクションの世界には未だ生きていることを真に心強く思うし、そのことが本作のイメージをちょっぴり底上げしているようにも感ずる。
 エンタテイメントとして些か退屈に過ぎるのは難だけれど、こうした真面目かつ健全な文芸を核とした作品作りには、そういうモノが減っていく一方なだけに、気持ち強めにエールを送っていきたい。



 追記・一期と二期では作品カラーが少々異なるが、あたし的には一期のマターリぶりが好きだな。スタッフの善良さが伝わってくる心優しいエピソードが多く、何度もホロリとさせられちゃったり(両親を亡くした炉のオハナシとかオイオイ泣いたよ〜)。



 追記2・二期も最終回はまあまあ。意識のないアミちゃんに歌を歌ってあげながら、砂沙美が一瞬嗚咽混じりになるラストシーンの哀切には胸が詰まりました。


 
 追記3・美紗緒ちゃんのショートヘアには賛否あるようですが、あたしは可愛らしくて良いと思いました。でも彼女のイメージソングたる後期EDはヤダ。ていうか前期の「キラキラデイズ」がスゴク良かったので変えて欲しくなかったなあ。



 追記4・CVに起用された子役タレントたちの演技は、学芸会レベルと言っては学芸会に失礼なほど痛々しい。しかしそのヘタクソぶりに彼女たち自身は無頓着なように感じられ(ホントはそんなことないのだろうが)、それがかえって小学生女児らしい味を出していたようにも思う。
 ちなみに砂沙美役の小川真奈氏は、邪気の無さそうな声質がキャラに絶妙マッチ。あれが素だったらスゴク良い娘なんだろうと思います。


→電波館のトップへ戻る