番外記事

キミは惑星シャルバートを見たか?(1)

 
 
 あたしは「宇宙戦艦ヤマト」が発狂しそうなほど好きなんですが、それはやはり最初の無印ヤマトに限ったことで、後期の作品は笑い飛ばすネタとして見た感じ。

 中でも最後のTVシリーズとなった「ヤマト3」は極々ナナメにしか見ておらず、粗筋をテキトーに知ってるという程度でした。

 その「ヤマト3」を、最近全編視聴する機会がありました。

 地味でアクビの出る作品だろうと想像していたんですが、結構バカ要素が盛り沢山で笑えるアニメになっており、意外やそれほど退屈という印象はありませんでした。

 今日日「ヤマト3」の内容を知ってる人も少なくなってるでしょうから、全25話のダイジェスト紙芝居としてここで紹介したいと思います。ヤマトの痛快な冒険譚を是非お楽しみ下さいませ。

 (ちなみに著作権法上いつ公開停止となるか分からないので、番外記事とさせていただきます。)

 23世紀初頭、宇宙では大規模な汎銀河戦争が起こっていました。

 その流れ弾(惑星破壊ミサイル)が太陽系に飛来!

 太陽のみならず、付近にいた観光宇宙船をも直撃するという、デューク東郷もブッ飛ぶトンデモなオープニング。これぞセンス・オブ・ヤマト!

 太陽はミサイルの直撃によって反応が異常化、膨張を始めた。このままでは地球も焼き尽くされてしまう!

 しかし対策を取ろうとしない政府に業を煮やし、藤堂司令長官はヤマトに移民星の探索を命じました。

 民主的な手続きを踏んでいては国が滅びるので、何でも目先の利く軍人に任せなきゃダメ!という、毎度ヤマトらしい、関東軍マンセー史観炸裂!

 汎銀河戦争の一方の雄、ガルマンガミラス帝国を率いる、お馴染みデスラー総統。

 酸素欠乏症で脳がデングリ返り、かつての仇敵であるヤマトと地球を手厚く庇護します。

 戦後のアメリキのような役どころと言えますが、それよりもGAに出てきた社長さん(画像円内)を彷彿とさせます。

 もう一方の大勢力、ボラー連邦の首相・ベムラーゼ。

 冷酷非情な専制支配者で、もろにスターリンを想起させる分かりやすいキャラクター。実際、企画段階ではベムーリンという名前でした。

 滝口順平氏が好演していて、いつ「オシオキだベェ!」と言い出すかドキドキします。

 さて、出航準備をするヤマトの上空へ、ワープのミスでガルマン軍艦が迷い込みました。

 「今、ヤマトは出航前の大事なときだ」という手前勝手な理由で、古代艦長は相手が何者か誰何もせず、問答無用で撃ち落としてしまいます。乗員は皆殺し。

 さすが歴戦の勇士は剛毅果断だなあ。

 宇宙へ飛び立ったヤマトは、傷付いた軍艦と遭遇します。今度はボラー連邦側のラジェンドラ号でした。

 古代艦長は一転、艦の修理と補給を申し出ます。

 ものすごい切り替えの早さと言うか、ワケの分からない行動原理で視聴者はポカーン。

 ラジェンドラ号を追って、ガルマンガミラスの名将ダゴンの艦隊がやって来ました。

 ダゴンは狡猾非情な男ですが、まあ性格はともかく、そのもみあげを何とかして欲しいです。

 ヤマトは妙な義侠心を発揮してダゴンと敵対。大立ち回りを演じて艦隊を潰滅させます。

 一方でボラー連邦ともトラブルを起こし、その艦隊や支配星をボコボコに。

 移民星を探しに出たはずが、すっかり全方位ケンカ上等!のゴロツキ戦艦になってしまいました。

 「二大帝国の圧政や宗教弾圧から弱者を解放しただけなのに、ガルマンもボラーもヤマトを滅ぼそうと攻めてくる。そんならコッチも自衛のために戦わざるを得ないぞ!」とふて腐れる古代艦長。

 そ、そうかなあ?ヤマトの喧嘩っ早さもイケナかったと思うけどなあ・・・

 とまれ、何だか「新しい歴史教科書」みたいなオハナシになってまいりました。

 ところでこの時代には、人類もそこそこ銀河へ進出しているという設定になっています。

 ヤマトはそういう星々を訪ね歩き、移民のジジイと撃ち合ったり、酒場で酔って皆で暴れたりと大忙し。

 ヤマトが訪れた星は、大抵戦乱に巻き込まれて滅んでしまいます。まさに疫病神。

 そんなヤマトで働く、頼もしい(?)新隊員たちを紹介します。

 まずは土門竜介クン。

 砲術科を志望していたのに、生活班(炊事係)に配属されて不平ブーブー。

 ためか、ちょっと過激な言行が目立つ問題児。

 こちらは揚羽武クン。

 財閥のボンボンでエリートで二枚目という、現実にいたら同性からはゼッテー嫌われてそうなキャラ。

 実際劇中でも、友だちは土門クンしかいない感じ。

 ついでに劇中で描かれる恋模様もちょっと紹介。

 バカップルその1・相原通信班長と藤堂晶子(司令長官の孫娘)。

 南の島で出会って互いに一目惚れ。

 「ああ、名前くらい聞いておけば!」と後で悔やみまくる、落語の「崇徳院」みたいな二人です。

 バカップルその2・揚羽クンと、汎銀河宗教のご本尊、ルダ姫。

 異星の草原で出会って互いに一目惚れ。

 どうやらこの時代では、出会い系っぽいお手軽な恋がデフォルトのようです。

 とか何とか言ってるうちに、ヤマトには次の刺客が迫ってきました。

 本作を代表する傑作メカ、その名も次元潜行艇ガルマンウルフ!

 亜空間にその身を潜め、通常空間の敵艦を魚雷で攻撃するという、まさにヤマト的アイデアが秀逸!

 青い透過光の波(!)を割って潜望鏡が出現するという、単純だけれども、視覚的に十分面白い絵で唸らされます。

 見えない敵からの猛攻にさらされ、手も足も出ないヤマト!

 その時、問題児の土門クンが、敵の正体を次元潜行艇だと看破し、波動爆雷で対抗しようと提案します。

 彼は宇宙戦士訓練学校で、異次元戦闘を履修していたのだとか。

 「最近の訓練学校は何でも教えるんだなァ」などと感心されたり揶揄されたりでテレまくる土門クン。

 ドッと沸くクルーたち。

 激戦の最中でも笑顔が絶えない、ヤマト艦橋は憩いの場所(はぁと)。

 などとノンキにやっているところへ直撃弾が!

 古代艦長は負傷し、ヤマトはガルマン軍に拿捕されてしまいます。

 大ピンチ(自業自得だが)!

 ヤマト、そして地球の運命は!?

 (つづく)


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