No.87

このアニメはこう見やがれってんだ!(45)

 

マジカノ

 
 「ギャラクシーエンジェる〜ん」の岸誠二監督作品なので、どうせロクでもないぞと思って見始めたんだけど、意外やそこそこ面白くてビクーリしちゃったぞ。


 
 小心なメガネクンが何故か美少女たちに囲まれてウハウハ!という激ステレオタイプのハレム妄想マンガなれど、ラブコメよりはスラップスティックとしての味が強く出ており、萌えに興味の無い人でも楽しめるのがまず良いと思う。
 と言って萌えアニメとして不足があるわけではなく、キャラたちのビジュアルやパフォーマンスはとっても可愛いし、声優さんたちも皆楽しそうに演技をしているのは好印象でした。



 最後のマジ展開がジャマくさくてつまらないのは残念だが、そこはまあ原作との兼ね合いもあるのだろうし、せっかくのアホらしいノリをスポイルしちゃうほどでもなしに着地させているバランス感覚を、むしろ讃えるべきなのかもしれないな。


 
 追記・メインヒロインのキャラが弱すぎて、主人公との絡みが全くドラマたり得ていないのは、やっぱりちょっと勿体ない。
 一方で脇キャラ群はイキイキしており、あたし的にはマニッシュな生徒会長さんがオキ二でしたわ。
 

 

タイドライン・ブルー

 




 いかにも飯田馬之助らしい、地獄のように安くてイタくて厨臭い文芸に加え、純粋と言うよりは単に魚よりも頭の悪い主人公とか、ギャグでもないのにケンケン並みに擬人化された動物キャラとか、彼らの見せるやたらバカでかいリアクションとか、とにかくもう信じ難い演出のアナクロぶりにドン引き。
いつの時代のマンガだよバカめが。


 せっかく出演されている榊原良子氏が勿体ないこと夥しい。
豚にハマーン様とはまさにこのことである。
 

 

Gift eternal rainbow

 
 何つーかまあ、要するに黒「ダ・カーポ」?みたいな作品。
 世界観もストーリーもキャラも全部同じで、ただ出てくる名前が違うだけ。どうやら大本の企画者が同じ人らしい。



 いや別作で「ダ・カーポ」の語り直しをやることがイケナイとは言わないし、狙いを音無ちゃんとさくらちゃんの対決に絞った構成も悪くはないと思うが、その対決をちとエスカレートさせすぎて、
つまりはさくらちゃん、もとい、本作では霧乃ちゃんがあまりにも可哀想すぎて、ラブコメというジャンルの枠組み内では上手くリカバリーしきれなかった感がある。



 結果、作品の雰囲気は終始陰鬱であり、霧乃ちゃんの心情が救済される過程が胸に落ちることもなく、割り切れない、イヤ〜な視聴後感だけが残る仕上がりとなってしまったことは残念だ。


 
 やっぱコメディってのは、見る人をジリジリさせたりハラハラさせたりショボンとさせたりホロリとさせたりしながらも、最後にはああ良かったなあと安堵させてくれないと。



 また作画レベルがおしなべて低調だったことも、無印「ダ・カーポ」とつい引き比べてあ〜あとなっちゃう点であり、本作が自家エピゴーネンであること故の弱みとなっていた気がします。



 追記・一つ一つのシーンやエピソードには「うッ」ってなっちゃうモノもあり、特にあたしが年取ったせいか、女の子たちの幼少期の描写が涙腺直撃。
 糸電話を切断されてショックを受ける霧乃ちゃんや、不幸な生い立ち故、引き取られた家でいきなり便所掃除を始めようとする莉子ちゃんには、見せ方のあざとさに鼻白みつつも、やはり泣かされてしまいましたとさ。



 追記2・前にも同じこと書いたけれど、清水ロリロリ愛氏は、莉子ちゃんのように陰のあるヒロインにはあまり似合わないと思う。
 真面目に一生懸命演じているのは分かるんだけど、やっぱり氏には、お人形さんみたいに可愛らしいだけのロリっ娘のがしっくり来るなあ。
 まあハマり役だったキクちゃんのイメージに、あたしが引きずられているだけかも知らないが。


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