No.90

このアニメはこう見やがれってんだ!(48)

 

SoltyRei(ソルティレイ)

 
 狂ったまみまみがビグザムで暴れ出して人類がかなり危ない!
 っつーのに正義のロボット斎藤桃子はオヤジの加齢臭で電子頭脳がアポーンになって砂漠や宇宙へ遊びに行ってしまい、太股、もとい伊藤静もゆかりんも死んじゃってさあ大変なオハナシ。でも広橋涼は死にません。



 GONZOとAICのコラボ作品ということでとても期待していたんだけど、内容のあんまりなグダグダぶりにあたしの拳が光って唸る!愚作を誅せと輝き叫ぶ!
 ただ退屈なだけならまだイイが(良かねェよ)、最初ハードボイルドなのかと思っていたらすぐにチャラいコメディになったり、ではコメディかと思って見ようとすれば人が陰惨に殺され始めたりと、まるで一貫性のないスカタン構成は困りものだと思う。
 味もクソもない激ステレオタイプのキャラども、ヤッツケ感あふれる作画やCGにもガカーリ。人気スタジオ同士がコラボってもこれじゃねえ・・・・



 
あじま御大のお言葉を借りれば、「もう少しストーリーの勉強をしてデッサンやって主人公を魅力的にして個性を出して描き込んで見やすく野球物だと使えるんだが」って感じですか。 
 まああたしはフランケンシュタインのペーソスものに滅法弱いので、ラストシーンでは泣かされたけれど。



 追記・一部で劣化モモーイみたいに言われている斎藤氏だけど、あたしは本作や、それと「まじかるぽかーん」などでもカンペキに可愛かったと思います。
 「お芝居とか良く分からないので、せめて間違えないように台本を読まなくちゃ」というレベルの生硬な演技(まことに失礼)が、ゆうまちゃんやソルティちゃんのトホホなキャラ性には良くマッチしていたからです。
 
 

IGPX

 
 日米共同制作のアニメなんだそうで、巨大ロボを使って行うローラーゲーム(古!)みたいなレース競技と、それに打ち込む若者たちの青春群像を描いている・・・・・とか書くと何だかちょっと面白そうな気もするが、それは罠だ!逃げろ!見ちゃダメだ!なジャンク作品。逃げ損ねたあたしは氏んだじぇ。



 本作の何がイケナイと言って、まあキャラやドラマの無味乾燥ぶりはまだガマンするけれど、
肝心のレースがサッパリ盛り上がらないってのは、即ちこの企画がテンからコケているってことなんでそらアカンでしょう。



 
レースシーンが楽しめない理由は山ほどあるが、中でこれが一番ダメ!なのは、そも「IGPX」という競技をどう観戦するべきなのかという根本が描かれていないことだ。



 例えば「イニシャルD」のバトル(レース)シーンが面白いのは、そのバトルのルールやテクニックのキモが、自動車の素人にも無理なく理解出来るように描かれているからである。
 登場する車がどんな特性を持ち、それぞれのコースや局面でどうすれば速く走れるのか、どうすれば敵車を上手く抜けるのかという情報が、(あくまでマンガレベルではあろうが)ドラマの中に巧みに織り込まれている。だからこそ、読者はあたかも自らがステアリングを握っているかのような迫力を味わうことが出来るのだ。



 対して「IGPX」ではそうした情報は全く提示されず、どころかまともなルールやレギュレーションすら存在するのか不明であり、それぞれのチームマシンはてんでに勝手な飛び道具や必殺技を繰り出し、コースレイアウトなぞお構いなしに暴れ回る。
 マシンが速いかどうかを左右する要素は、せいぜいドライバーがマジで頑張るかどうかという程度のことであって、それではレースものとしての面白さを視聴者にアピール出来ようはずもない。



 作画は上質の部類だし、ロボのデザインや3Dアニメートもソツなく出来ているだけに、それらを全てアポーンにしちゃった文芸の罪深さが際立ちまくり。
 大本営がタコなときの兵隊さんってのは毎度お気の毒様ですわあ。
 
 

ラブゲッCHU〜ミラクル声優白書〜

 
 「らぶドル」の声優版みたいな作品だが、シナリオの質が凶悪なまでに低く、んなのにライターの「オレ様スゲェ!」臭芬々で、何なんだこのイヤらしい味わまるで「ヒットをねらえ!」でわないかと思ってクレジットを見たらばズバリ荒川印でゲッソリさせられた。



 「およそ役者やクリエイターを目指そうってモンは、常に情熱や問題意識を持って取り組み続けなアカンのやで!業界っちゅーのは甘いトコやない!夜の目も寝んと働きや!」とのべつにブチまくる文芸は鬱陶しさ百満点!!
 成る程おっしゃることはその通りか知らないが、それをこんなクソつまらないアニメで言おうとするところに無理がありすぐる。
 冷凍食品をチンして出すだけというインチキレストランのオーナーが、「真心を込めて調理することが大切なんです」などとホザいても、誰もマジメに聞きゃしないでしょうが。



 
キャラにロクでもないハードルしょわせて悦に入ってるヒマがあったら、まずは自身が、モノを書くということを根本から勉強し直してみてはどうなのか荒川稔久。
 こんなゴミクズばかり世に晒して屈託の無いオマイの神経のが余程ミラクルだわ。


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