No.94

このアニメはこう見やがれってんだ!(52)

 

CLUSTER EDGE(クラスターエッジ)

 
 超人ロックを腐女子向けに翻案してみたらばトンデモなゴミクズが出来ちゃってドーモサーセン!みたいなトホホ作品。



 最初の数話分はそこそこ退屈せずに見れる内容だし、出てくる男の子たちも可愛くてE感じなんだけど、その後、

 ・オハナシが全く前に進まない。
 ・その全く進まないオハナシでもって総集編を連発。
 ・あげくに尺が足りなくなったんだか何だか,イキナリ打ち切られる週刊連載マンガのようにドタバタと店仕舞い。

 っつーデタラメすぐるシリーズ構成に、一筋の涙が頬を伝う。
 まあアルジュナとかアクエリオンの大野木氏が書いてるらしいので、ハナっからロクなモンになるわきゃなかったのかもね。



 ところで腐女子と一口に言っても、あたしのように高度のロジックを駆使するインテリもいれば、何とか人語を解せるだけというクルクルパーまで、オツムの程度は様々だ。
 本作なんぞを面白いとか言っちゃうのは当然後者であり、だから腐女子の知能レベル判定薬としては使えるんでないかい、CE。
 どんなダメアニメでも何かしらの利用価値を見出してあげる、あたしってば優しい娘だよなあ。
 
 

キスダム KISSDUM -ENGAGE planet-

 
 41号こと島鉄雄がクソビッチに二股かまされてブチ切れる楽しい終末アニメ。



 世界観その他が甚だしい説明不足の一方、センチなセリフにはグダグダ尺を割くポンコツ文芸、プラナリアの観察をしていた方がまだはるかに面白そうな駄キャラの山盛り、後に大規模リテークとなった崩壊レベルの作画等々、「キスダムクオリティ」という言葉まで出来ちゃったほどの底辺な完成度だが、あたし個人的には本作を、サテライトのプロダクツとしては最も良心的なモノのひとつであると評価する。



 何故なら「キスダム」には「こういうモノを見せたい!見せよう!」という壮図が少なくともあり、それを形にするべく、スタッフが拙いなりに力を尽くしたことが分かるからだ。
 文芸作品に壮図があるのは当たり前だろうと仰る向きもあろうが、その当たり前のモノをロクに備えていないのが毎度サテライトのお仕事であって、その伝で本作が、少なくともまともなスタートラインに立とうとしたことには敬意を払いたい。



 面白味の無いステレオタイプのアヤナミキャラだったヴァルダが、最後には人の情を理解し、それに寄り添うようにして滅びていくシーンは哀切に満ちて強く胸に迫る。
 その感動は、様々な悪条件下でも何とか作品を完成させて世に問おうとした作り手らの真心の体現でもあろう。



 
どうしようもなくブサくてダサくてショボくてアレだけれど、何故か気になって捨てられない、ボコられていたら一言口添えしてやりたくなる、ちょっと「ファフナー」なんかに似た可愛らしい印象の作品だ。
 
 

sola

 
 もしも道にまみまみが落ちていても、それはディオ様かもしれないので安直に拾って帰ったりしたらイケナイよという、実にためになる修身訓話。



 見た目何やら「D.C. ダ・カーポ」っぽいアニメで、魔法(まやかし)によって平穏とか平衡とかを保っていた世界が、ある日を境に崩壊を始めるというシノプシスも似ているが、物語構造が根本的に弱く、結果その不条理ばかりが際立って見えてしまっている。



 何が不条理と言って、登場人物皆が、互いに反目しあう事情など特段無いのに、出っくわすいなやだんびらだの毒手だの式神ビットだのを振り回し、問答無用に殺し合いを始めるのだからモノスゴイ。
ウルトラファイトかよ。


 
 やらなくても良いケンカなどテンからヤメておいて、みんなでチューでもセクロスでもして仲良く楽しく暮らせば良いではないか、何故そうしないのか、と見ている方がアホらしくなってしまうのは当然であり、物語の終着に興味を持って視聴し続けることはかなり困難だろう。



 キャラのビジュアルはみんな可愛らしいし、美術もHD放映に映える良い出来だっただけに、文芸がそれに応えられなかった感があるのは残念だ。



 追記・ドSのアヤナミを中原麻衣、彼女を慕うロリを清水愛という最強百合コンビが演じており、二人がいつドラマそっちのけでイチャつき始めるのかとドキドキしてつい最後まで見てしまったあたしは病んでいる。
 ちなみにせっかく出てきた黒朋ちゃんがほとんど活躍しなかったのは勿体ないなあ。


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