No.97

このアニメはこう見やがれってんだ!(55)

 

もっけ

 
 マンガ原作作品だそうだが、見比べるとサザエさんですらハイセンスな未来アニメに見えてくる超級の垢抜けなさが強烈!まるで146年くらい前の韓国製アニメのようだ(ねーよ)。


 とこき下ろしつつも、そこはそれさすがにマッドハウスのお仕事。今っぽい見所やセンスを全く欠いても、キチンと折り目正しい文芸作品になっていることには敬意を払いたい。
 「ナガレイズナ」等、ステレオタイプながらチョイ泣かされちゃったエピソードもありましたし。


 こういう、不器用だし田舎者だけど、訥弁で一生懸命にもてなそうとしてくれてるみたいな悪気のない作品は、どんなときでも一定数は市場にあって欲しいな。まあ基本あたしゃ見ませんが(オイ
 
 

魔法少女リリカルなのはStrikerS(ストライカーズ)

 
 シリーズの3作目だが、なのはやフェイトが特に主人公というわけではない、大がかりな群像劇となってしまったことに、放映当時は批判や戸惑いの声も多かったように記憶する。
 確かに本作のなのはは魔法少女じゃなくて魔法のバリキャリだし、だから部下たちのキャラの方をまず立たせなくてはならず、いきおい自らが主体的にドラマに関わることが難しくなってしまっている。
 しかし見終わってみれば、群像劇となったことそれ自体は、特に物語構造をスポイルしたわけではないことが分かる。


 それぞれがマジンガー級に強大な戦力を持つキャラたちが多数暴れ回るというスーパー魔導師大戦なコンセプトは魅力的だし、彼らチームの絆がシッカリと描かれていることも悪くない。


 にも関わらず、やはりどうも見ていて冴えない、凡庸なイメージなのは、ひっきょう、尺が長過ぎて(これまでの倍、2クール)余計なモノがゴチャゴチャ入りすぎってことに尽きよう。ムダなモノを極力排して引き締まった印象に見せていた前作とはそこに差がある。
 
だから前半はモノスゴクつまらない「のらくろ中隊長」にしか見えず、せっかくのマジンガークラスのキャラたちがダブラスクラスのザコ敵相手に苦戦ばかりしているマヌケな展開にフラストレーションが喫水線を超えまくる。シリーズのファンでなければここで視聴から脱落しちゃうのも詮無いことだろう。
 タメのパートが長すぎて、よーしこっから反撃だ!というカタルシスパートへの移行が手遅れ感ハンパないのである。


 やっぱ作品っていうのは、色々シビアな制約がある方がかえって面白くなったりするのかもしれないね。
 特に尺は、ジャブジャブあって何でも盛りまくりというのでは、本作のようにグダグダ水ぶくれな印象になってしまう恨みがあると思います。


 追記・新キャラでは、端役ながら修道騎士シャッハちゃんの男前っぷりが断然ツボでした。
 清楚な面立ちながら、いざケンカとなれば決然として暴れ回り、他のキャラみたいにグチャグチャ能書き言わない花山っぽさサイコー!
 あと新手のロリ二人も健気で可愛くて良かったんじゃないかな。ここ一番でほとんど天変地異みたいな大怪獣召還しちゃうキャロちゃんすごくカッコイイし。
 ちなみにヴィータちゃんは前作に続いてイカスけど、はやてちゃんはすっかり大阪のオカンみたいになっちゃってまあ・・・・
 
 

天元突破グレンラガン

 
 大人気作品なのですごくワクワクして見始めたのだが、冒頭から終いまで全く入り込むことが出来ず、ガイナ作品はヤパーリあたしにゃ合わないんだなということを再確認させられただけでした。


 
キャラたちが矜持やら決意やらをやたらハイテンションで喚き散らす度、ハイハイ燃える燃える、ハイハイ熱い熱い、ハイハイ自己犠牲イカスね〜と、逆に薄ら寒〜い、ションボリ〜ナな心持ちに陥るばかり。 
 
社畜のブラック自慢かよクソバカめがていうか、作ってる方もマジでんなこと思ったり言ったりしてるわけじゃなくて、オツムの残念なヲタ相手にゃこういうテンプレ題目唱えとけば十分だろという腐った性根がイヤでも分かってしまう。


 そうやって作り手から知性の底辺ぶりを見透かされ、侮られ、安く見られてばかりで情けなくないのかええキモヲタ共?ナメられたら暴れろよ!男の子だろ!!
 
往年のエモやんよろしく「視聴者がアホやからロクなアニメがでけへん」と愚痴りたくなる凡作でありましたとさ。


 追記・最終回のニア姫散滅シーンだけは哀感が上手く出ていて悪くないていうかあたしはチョッピリ泣いちゃったぞ。
 福井裕佳梨は相変わらずの強烈な棒っぷりだけど、それがこのボンヤリキャラにはナイスマッチで良かったと思います。

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