No.104

このアニメはこう見やがれってんだ!(62)

 

RIDEBACK(ライドバック)

 
 皆さんが真面目に一生懸命殺し合ってるところへ何故か奈々様が乱入して警官その他をボコり倒し、「ただ踊りたかったので踊った。相手は誰でも良かった」などと意味不明の供述をするオハナシ。

 
 御本人も「まともじゃない」と言ってることからしてヒロインはまず間違いなくアレな人なんだろうが、フツーの視聴者がそんなモンに感情移入など出来るわけもなく、見ていて「このめんどくせー女、早く射殺されちまわねェかな」としか思えないのはやはり難だろう。


 作品世界を際立たせるための重要な装置である主役メカ(ライドバック)のキャラが弱いのも困りもので、
ぶっちゃけ変形とかは要らなかったんじゃないのコレ。
 スピードスケートを想起させるコーナリング姿勢は美しく魅力的だし、劇中でのウリはエアリアルシーンなんだから、もう人型オンリーでイイじゃん。
 同じ伝で、レースも普通の競争ではなく、モーグルスキーのようにパフォーマンス要素を強くするとか、独自のルールでアピールするべきだったと思う。


 そもそも原作コミック(未読)からして色々とアカンかったのか、あるいはアニメの方の手際が悪かったのかは分からないが、ビジュアル的には見るべきものがあっただけに残念な仕上がりだなと感じました。
 
 
戦国BASARA(一期、二期)

 BASARAは個人的に好きなゲームだ。
 アクションの難易度が高くないからあたしのようなニブチンだって遊べるし、パクリ元の無双シリーズのようなイベント関係の縛りが少なく、頭使わずにゆるゆるプレイできるのも有り難い。
 そのアニメ化だというのでどんな風に料理するのかと楽しみにしていたのだが、
いかにもむとうやすゆきなダサくてタルくてクドくてクサいポンコツ文芸にゲッソリさせられた。


  そもあたし的にBASARAってのは、独眼竜がパリピだったり真田幸村が脳筋だったり本多忠勝がGロボだったり直江兼続が無敵だったり甲斐田裕子が召喚魔法使ったりまみまみが意味も無くエロい脚見せたりというキャラたちのナンセンス風味がキモであって、マジモンで命のやり取りをするような、まして天下をどう治めるかなんつー辛気臭いハナシじゃねェだろって気がするのよね。
 だからアニメ化するにしてもヘタに一貫したストーリーなど用意せず、各武将がそれぞれ脳天気に無双する、スラップスティック調のオムニバスにした方が良かったのではないだろうか。


 そのいらねえストーリーのしわ寄せをまともに食ったのが、やたら執着する鬱陶しいキャラになっちゃった独眼竜であり、彼は主人公格なのだから、やる前から負け戦の分かりきってる作品だったのかもしれないな。
 忠勝が、たかが帰蝶ごときのバズーカにやられちゃうなんてのもイメージブチ壊しだったしさあ。


 追記・亡くなった川上とも子氏が当時既に病気療養中だったためか、一瞬だけ登場するいつきちゃんが一言も喋らないのが見ていてツラすぐる。
 このシーンだけ、作品の内容と関係なく涙が出たよ・・・・


 追記2・制作会社が変わった第三期はさらにどうしようもなくグダっちゃってトホホなんだけど、甲斐田ちんと大原さんの共演だけを目当てに見続けていたあたしも大概だわな。
 どうしてこう性懲りもなくヅカっぽいアクトレスを好きになっちまうのかしらねェあたしってヤツぁ・・・・
 
 

あにゃまる探偵 キルミンずぅ


 サテライトのテレビシリーズとしては2010年時点に於いて最良作の一つであり、河森氏が同社で手がけた作品としても個人的に最もマシな部類だと思う。


 シリーズ構成のバランスが悪く、尺はジャブジャブあるのにメインのプロットが全く動かないとか、多段変身等の設定が劇中で上手く活かされていないとか、難点も多々あるけれど、各エピソードは他愛も無いなりに丁寧に作られているし、何よりビジュアル的にとっても可愛らしく、作画にも乱れのないことは手柄だろう。
 小学校児童のオハナシということで、ヘンに恋愛関係でドロドロギスギスしていないのも良いし、陰謀劇のパートもどこか牧歌的なノリで、安直に憎悪や暴力に結びつかないのはジュヴナイルとして優れた資質である。
 
大人が見て面白い作品とは言えないが、家族で安心して視聴できる、毒や悪意の無いメルヘンとして推したい。

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