番外記事

キミは世界の平和の盾となったか?(前)




 ↑イタリア版タイトルは「アストロロボット」。

 BOX購入時は3000円ほどでしたが、その後値上がりしてしまったようです。

 イタリア版の安価なDVD-BOXを尼で購入したものの、長らく放置したままだった

「ブロッカー軍団IVマシーンブラスター」!
 

 
その全38話を、この度イッキに視聴し終えました。



 全編に横溢するデタラメな
演出センス!
 悶絶したくなるほどダサいキャラやメカ群!
 これで文句あるかと言わんばかりの殴り描きな作画と美術!
 
くう〜ッ、タマらんぜ、この昭和の駄菓子感覚!!

 てことで、せっかくですので、簡単な紹介記事を書いてみたいと思います。


 本作は、名作シリーズや未来少年コナン等で有名な日本アニメーション(株)が、初めて制作した巨大ロボットアニメです。

 実際の制作はタツノコから分かれたばかりの葦プロダクションが手がけているそうで、故にか随所にタツノコっぽい味付けが見られます。
 プロットやガジェット等、コレってガッチャマンとかテッカマンでも見たぞという既視感の強いエピソードが頻出。テンプレパーツだけでデッチ上げた四流企業サイトみたいなトホホ臭が漂います。

 全体のストーリーは、

突如として地上へ向け侵攻を開始した、海底帝国モグール!
しかしその野望の前に、
正義の巨大ロボットチームが立ちはだかる
彼らの名は、ブロッカー軍団・マシーンブラスター!!


 という非常にシンプルなもので、第1話冒頭を見ただけで、視聴者である子供たちにもすぐに作品内容が理解できそうなのは良いと思います。

 以下、その世界観を、ビジュアルを交えて解説いたしましょう。


 4体の巨大ロボットによって構成される地球防衛チーム、それがブロッカー軍団です。

 パイロットには
「エレパス」という超能力を持った若者たちが選抜され、その能力でニュータイプのようにロボットを制御します。

 放映当時の超能力ブームに乗っかった設定のようですが、エレパスという名称は、超能力というより何やら磁気式の肩こり膏薬みたいでちょっとイヤンかも。


 まずは主人公側の登場人物からご紹介しましょう。

 
←飛鳥天平

 本編の主人公です(多分)。
 
孤児であり、川崎市の少年院に入れられていたところを、ボスパルダーのパイロットとして強制徴用されました。

 実は敵であるモグール人の血を引いており、そのためエレバス能力はピカイチだが直射日光には弱いという、
ドラキュラみたいな主人公。

 ニヒルでイケメンの不良少年という鉄板の役柄故、リメイクすれば女子には高い人気が出るのではないかと思われますが、川崎とか少年院とか混血児とかいうキーワードからして、今なら色々とグロテスクな裏読みもされてしまいそう。


 ←石田厳介

 
ロボクレスのパイロットを務める、ブロッカー軍団のリーダー

 モグール撃滅への使命感は人一倍強く、しかしそれを他人にも強要するため人望は今ひとつ。
 ことに天平とは毎回モメてばかりいます。

 マジメだけど融通が利かず暑苦しいので、後輩たちから煙たがられている体育系サークルの部長みたいなキャラですね。


 ←ビリー剣城

 ブルシーザーのパイロット。元はカーレーサーでした。

 
包容力のある温厚な青年で、いがみ合う天平と石田を度々仲裁するなど、チームの和にも気を配ります。

 ブロッカー軍団唯一の良識人という気がしますが、それがかえって災いしたのか、彼が中心となるエピソードは少なめでした。


 ←早見仁太

 サンダイオーのパイロット。

 
天平とは少年院で知り合った仲間で、彼のことを兄貴分と慕っています。

 言うことやスタイルも渡世人がかっていて、着物にフンドシ姿で基地内を闊歩。
 いなかっぺ大将・大ちゃんを思わせる、絵に描いたようなコミックリリーフです。

 中の人は早世されたつかせのりこ氏。


 ←由利元来博士

 ブロッカー軍団の設立者であり司令官でもある科学者・・・・なんだけど、功績は全て他人からくすねたモノのような気もする。

 大量輸血直後でフラフラの隊員に対し、「貧血ごときで死にはせん!さっさと出撃せんか!」と怒鳴りつけたり、砂漠で渇きに苦しむ職員を「暑いのはみな同じだ!」と叱責するなど、人格的には色々とアレな人。
 そのバチが当たったのか、中盤の激戦で重傷を負い、半身不随となります。

 
まあ名前からしてユリ・ゲラーのもじりだもんな。そりゃヤヴァイ奴に決まってんよな・・・・


 ←北条ユカ

 雑用から戦闘補佐まで何でもこなす、ブロッカー軍団の総務OL。

 両親をモグールに殺されているため、天平の正体を知って彼を暗殺しようとします。
 しかしそのことを咎めなかった
天平の優しさに打たれ、次第に惹かれていくことに・・・・

 非常に地味なビジュアルのヒロインですが、一言しゃべればその艶っぽさに皆さん驚かれるでしょう。
 
何故なら中の人は麻上洋子だからだ!

 日本のボイスアクトレス史上、最もエロっぽいのは麻上氏だと個人的に確信しております。


 ←ピコット

 鉄腕アトムをブサイクにしたみたいなマスコットキャラです。

 繊細な感情を有しているのだそうで、ロボット扱いされるとフテくされたり暴れ出したりするメンヘラロボ。
クッソめんどくせェ。


 次に、敵であるモグール帝国側の人物も紹介しましょう。

 
←ヘルクイーン五世

 帝国の女王。

 2億年前の太古に太陽系第5惑星から移り住んできた異星人の末裔で、長く海底で暮らしていたため太陽光線に弱い。
 しかしその弱点を克服するサンレスマスクが開発されたため、地上を征服しようと行動を開始しました。

 ビジュアル的に
「Gレコ」のマスク大尉にソックリで、パクリなのかオマージュなのかと話題になりました(どちらでもないそうですが)。


 ←ヘルサンドラ

 中盤で
ヘルクイーン五世が戦死し、その後を襲ったのが妹のサンドラです。

 いかにも女王然としていたヘルクイーンに対し、サンドラは勝ち気な不良少女のような性格。
 やたらと前線に出て自ら肉弾戦を挑んだり、そこで出逢った天平の強さに惹かれてしまったりと、実にアクティブで感情豊か。
 最終盤はのべつに「天平が味方に欲しい」とこぼしてばかり。
ツンデレ姫やね。

 声はヘルクイーンと同じ、フィアナこと故・弥永和子氏ですが、上記のようなキャラ性の違いを上手く際立たせて演じておられました。


 ←ゴロスキー

 帝国の幹部で、戦闘指揮の責任者(らしい)。


 豪放というよりは、いわゆる力馬鹿のキャラクターで、緻密な作戦を遂行するのは苦手。

 情に厚い面もあって部下からは慕われていますが、敵である人類に対しては非情非道な拷問や人質作戦を平然と実行します。


 ←ザンギャック

 肩書きは戦斗参謀ですが、それよりは兵器開発を一手に担う科学者としての活躍が目立ちます


 
性格は陰険で卑劣。しかし上に取り入ることが上手く、ヘルクイーンからは可愛がられています。

 ゴロスキーのことは無能者と軽蔑していて、二人は犬猿の仲。
 とはいえ同胞意識もキチンと持ち合わせており、特にヘルクイーン死去後は、暴走しがちなサンドラを諫めようと力を合わせるシーンが多くなりました。


 ←モグール兵

 主にゴロスキーの配下で戦闘や破壊工作を行う雑兵たち。

 「ヘール・ヤッターレ!(祖国万歳みたいな意か?)」のかけ声と共に、独特のコミカルなアクションポーズを取ります。

 他にザンギャック配下のスパイ部隊(?)や、女性兵のみで組織された女王親衛隊みたいなものも存在します。

 お気付きかと思いますが、モグール帝国の主要キャラ配置は、マージョ様(ドロンジョ様)御一行とソックリです。

 この辺りのことも、本作がタツノコっぽさを強く想起させる要因となっており、彼らが
「こーのスカポンタン!」
「アラホラサッサ〜」
とか言い出してもあんまり違和感なさそうです。


 最後に登場メカその他の設定を紹介しましょう。

 
←ボスパルダー


 天平の乗機で、事実上の主人公メカです。

 ブロッカー軍団の4番機ですが、実は最初に開発された機体であることが後に明らかとなりました。

 主武装のパルダーチャック(モルゲンステルン様の武器)を振り回し、軍団の切り込み役として活躍します。


 ←ロボクレス

 ブロッカー軍団1番機。
 石田が乗り込み、軍団の指揮官機を務めます。
 ブロッカー陣形と呼ばれる合体技は、大抵この機体からの発令によって繰り出されます。

 主武装は鎖付きの分銅武器・クレフンドー。
 
なんかイカス響きで好きだぞ、クレフンドー!


 ←ブルシーザー

 ビリー剣城が操るブロッカー軍団2番機。
 
まことに失礼ながらラッキョウを連想する。

 主武装は2枚のブレードを組み合わせた巨大な卍手裏剣(?)・ブルジックル。


 ←サンダイオー

 早見仁太の乗る3番機。
 仁太のキャラに合わせてなのか、他の3機よりやや小型の機体です。

 主武装は2本を連結して使う槍・サンダースピアー。


 ←アストロ母艦

 ブロッカー軍団を発進させ、
自らも戦場まで飛んで付いていく狂気の母艦基地。

 そのアグレッシブさが災いして、度々撃墜されたり行動不能になったりします。

 中盤にはとうとう全壊の憂き目に遭い、山岳地帯にそっくり同じ2号基地が新造されました。
エリア88かよ。

 本作の大きな特色となっているのが、ロボによる合体技・ブロッカー陣形です。
 中でも
最も多用される、主力の陣形が、

 ←円月回転

 4機が円形に繋がり、高速で回転して敵に体当たりする技です。

 1機だけ逆向きになったり、手だけを繋いで回転したりと、
色々とバリエーションのある陣形で、とにかく繋がって回ればオッケーのようです。

 また3機だけの不完全な陣形で繰り出し、それを「変形円月回転」と称したこともありました。

 ←不動組み

 全機が背中合わせに腕を組み、高速で回転する陣形。

 この技で敵の攻撃を撥ね返してから反撃に移るという展開が多く、攻撃技というよりは防御技という印象があります。

 ←一文字崩し

 ロボクレスを先頭に4機が一列に並び、高速で反復横飛びをしながら武器を撃ち出す陣形。

 ちょっとジェットストリームアタックを思わせる技ですが、トドメの一撃となることは少なく、牽制のために用いられることが多かったようです。

 ←武者固め

 4機が菱形に組み合わさった陣形。
 この体勢で炎をまとった火の鳥のような外観となり、体当たりで敵を粉砕します。

 ほとんど
科学忍法であり、どこまでもタツノコっぽいブロッカー軍団なのでした。


 対するモグール帝国側は、怪物様の戦闘ロボットを次々と繰り出します。

 
「カイブッダー」と呼ばれるこれらは、ブロッカー軍団よりもはるかに巨大かつ強力なことが多く、単機で立ち向かってもまず勝ち目はありません。
 そこで力を合わせてブロッカー陣形を駆使することが必要となるのです。

 敵メカの方がいつも圧倒的に強いという演出は、ロボットアニメとしてはちょっと異色だったかもしれません。


 てことで、マシーンブラスターの世界についてザックリ紹介させていただきました。

 後編では、本編中のエピソード紹介を通じて、さらにマシーンブラスターの魅力(?)に迫ってみたいと思います。

 
キミもまたこのページにエレパスしてくれ!(安原さんの声で)


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