No.5 魔法使いTai! 録りためておいたWOWOW版の「魔法使いTai!」をようやく見終わった。いやー、退屈!魔法使い退屈!あんまりつまらないんで、見終わるのに一ヶ月もかかっちゃったぞ。
こうした展開は、深夜枠とはいえ、テレビアニメで女子高生の自慰シーンを実現してしまった(於・lain)小中氏の本領発揮と言えば言えるかもしれない。だがしかし、あたしには分からないのだ。視聴者は、本当にそんなモノを見たいだろうか?特に、小中氏の薄っぺらい世界構築の枠組み内で。
確かに彼が描く少女像にはある種の陰影があり、それは恐らく彼独自のトラウマに由来するのだろう。だからあの独特の、生理臭を思わせる「生臭さ」の演出は、彼が作家として自覚して良い才能である。しかし悲しいかな、彼の描く背景世界にはいささかの立体感もない。それはまさにホリゾントでしかなく、その無味乾燥な世界の中にあっては、キャラクターの「臭み」だけが際立ってしまう。
作品のこうした欠点は、恐らく彼が現実世界に立脚した人間性を育んでおらず、あたしがよく言う「マンガとアニメのみにしか範を取れない世代のママゴト作家」だからであろう。
つまり「ふしだらなキャラとストーリー」を扱おうとするのはいいが、「人とは淫らな生き物である」ことを理解した上で、それを咀嚼し、ドラマとして再構築できる「大人の余裕」がないのである。まさに「さかりのついた中学生がペンを持っただけ」状態!などと作家性の底を見透かされてしまうようでは、見ている方が白けてしまうのも仕方ないよね。書けないのなら書かない、これが彼に求められるべき分別であろう。
さてそれにしても、彼ら新世代作家たちの、一種異常とも言うべき創作ペースはどうだろう。小中氏が「ウルトラマンティガ」で良い仕事をしたのは恐らく事実なのだろうが、一人の人間が有している引き出しなんて、もとよりそういくつもあるはずがなく、この乱作ぶりが、彼らの創作物のレベル低下の一因であることは容易に想像が付く。
これほどの粗製濫造を続けなければ食べていけないのか、それとも業界にそもそも人材がいないのか、門外漢のあたしには問題点の所在を知る由もないが、長いスパンで見て、こういった現状が業界全体の衰退に繋がるのは自明であろう。
ところで、もしファンの人とかいたらお聞きしたいのですが、何故「Tai!」なんですか?あれはどういう記号っスか?
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