ダグラムディオラマの制作


1・ディオラマの構成を考える

 今回は3Dモデル自体の制作ではなく、それを利用した簡単なディオラマイラストについて書いてみます。

 人物やロボットのキャラクターモデルは、それを作って単品で飾るだけでも楽しいですが、せっかくアニメのキャラを3Dで作るのですから、劇中あるいはオリジナルのシーンをディオラマイラストにしてみるのもまた醍醐味です。

 あたしも拙いなりに時々ディラマを作りますが、ここでは2006年度のお年賀イラスト制作過程を再現してみます。

 さてディオラマは作り始める前になるべく具体的に完成イメージを固めておくのが肝要だと思います。

 今回のイラストの場合、お正月用ということから、まずは雪景色を扱うことに決めました。するとモチーフは、いきおいブリザードガンナーが適当ということになります。

 ダグラム劇中にはブリザードガンナーが雪中戦を行うシーンがありますから、それを再現してやることに決め、まずはアイデアスケッチを描いてやります。すごくヘタクソで恥ずかしいですが、下の(図1)↓が最初に書いたアイデアスケッチです。

(図1)


 第67話「北極に散った決断」において、解放軍の隊列を襲うブリザードガンナーをダグラムが迎撃するシーンをイメージして描きました。

 双方のメカに動きがあってディオラマとしては悪くないと思うんですが、年賀状イラストなのでもう少し落ち着いた構図にしたい気もします。またブリザードガンナーの主砲軸線がダグラムを指向していないため、キャラ同士の絡みが弱いようにも思います。

 その辺を勘案して、次に描いてみたアイデアスケッチが下の(図2)↓です。

(図2)


 ダグラムが二機のブリザードガンナーに挟撃されているイメージで描いてみました。構図としては、撃ち合いが始まる直前の緊迫感が出ていてまあまあのように思います。

 そこでひとまずこのアイデアスケッチを採用することにし、各モデルを低解像度でレンダリング、フォトショで合成してラフ画を作ってみます。それが下の↓(図3)です。

(図3)


 見上げる構図によってブリザードガンナーの巨大感が出ているのは悪くないのですが、どうも全体にシマリがありません。

 これはブリザードガンナーとダグラムのどちらが絵の主役なのかハッキリしないためのように思われます。あたしとしては正面を向いているダグラムがメインのつもりでアイデアスケッチを描いたのですが、構図上ダグラムが小さくなってしまい、その狙いがボヤけてしまった感があります。

 そこでこのアイデアスケッチもボツにして、大幅に構成を組み替えたものを新たに描いてみます。それが下の↓(図4)です。

(図4)


 両機が対決中というシチュを改め、ブリザードガンナー一機を撃破した直後のダグラムというイメージにしてみました。

 これも3Dモデルを低解像度でレンダリングしてラフ絵にしてみます。それが↓(図5)です。

(図5)


 ブリザードガンナーは擱座した状態で足下にチラリと見えているだけなので、これならばダグラムが主役の絵ということが一目で分かりますし、また雪景色を扱うという当初の構想からも外れていません。

 これを本番用の構図として採用し、以降の作業を進めていくことにしました。


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