ラウンドフェイサーの制作


3・腕の形状を作る

 胴体に続いて腕部を作ります。

 完成した腕部のイメージ下図の通りです↓(図28)。これを目指して作業を進めます。

(図28)

 まずは肩関節から。

 肩関節の形状は下図のようになっています↓(図29)。

(図29)

 パイプ状のパーツ、球形のパーツ、クランク状のパーツを組み合わせただけの簡単な構造ですが、矢印で示したとおり、この部分で肩の上下、左右、前後へのスイング、また引き出しが可能になっています。

 完成すればチラリとしか見えない部分なので、これくらいシンプルなモノでも十分と判断して作りました。

 この肩関節パーツを肩ブロックに埋め込みます↓(図30)。

(図30)

 肩ブロックは関節が入るようにくり抜いておきます。ブーリアン演算を使えば簡単ですね。

 次に上腕から前腕へと作り進みます。これも作業としては簡単で、上から下へと線形状をコピー→拡大縮小→移動を繰り返していくだけです(図31)。

(図31)

 ところでラウンドフェイサーの場合、ヒジの関節はジャバラ状のシーリングで被覆されています。

 下の↓(図32)の赤い部分がそうですが、ここがグネグネ曲がって可動するようになってるワケです。

(図32)

 しかしジャバラだけでは十分な可動範囲を得ることが難しい場合もあります。

 下の↓(図33)のように、曲げる方向によっては形状に不自然なシワが出てしまいますし、これ以上に大きく曲げると自由曲面構造が破綻してしまいます。

 また銃を構えるポーズなど、ヒジの長さを変えなければ対応しきれない場合もあります。

(図33)

 そこで上腕の内部に下の↓(図34)のようなヒンジ状のパーツを仕込み、それらのケースに対応します。いわゆる隠し関節というヤツです。

(図34)

 腕を大きく伸ばしたり曲げたりする場合、この隠し関節を引き出してやります↓(図35)。

 これによって銃を構えるポーズも楽に取らせることが可能になりますが、ご覧の通り見映えは良くありません。なので、元設定はあくまで参考と割り切って、もっと曲げやすい構造の関節をオリジナルで付けるのも良いと思います。

(図35)

 次に手首を作ります。

 手首は下の↓(図36)のような形状をしています。箱形の掌と、円筒を節で繋いだ指を組み合わせて手首のように見せているのがお分かりと思います。

(図36)

 指を拡大してみますと↓(図37)のような感じです。

(図37)

 さらに指をパーツに分解してみたのが↓(図38)です。

 それぞれの関節部分で「伸び」と「曲げ」を制御できるようになっています。

(図38)

 実際に曲げてみたところが↓(図39)です。ちなみに指の付け根部分は左右にもスイングできるようにジョイントを仕込んでおきます。

(図39)

 親指だけは他の指と違い、付け根部分に基部となるパーツを別に作り、掌に埋め込むというやり方にしています↓(図40)。

 この基部ごと垂直に旋回出来るようにしておけば、手を握ったり銃を持ったりするアクションが可能になります。

 人間の手というのは、親指が他の指と向き合えるように出来ていますが、それを擬似的に再現してやるわけです。

(図40)

 こうして作った手首にポーズを取らせてみたのが↓(図41)です。

 こうしたカクっぽい手首は往年のガワラメカっぽくはないですが、制御のしやすさを優先してこのようにしてみました。

 手首はロボに表情を付けるために大切なパーツですから、気に入ったモノが出来るまで色々試してみるのが良いと思います。

(図41)

 さて最後に、肩に付いているアーマー(装甲板)を作りましょう。

 ラウンドフェイサーの肩アーマーは、設定ですと、裏が↓(図42)のように真っ平らになっています。

(図42)

 設定通りなのですからこのままでも良いのですが、これだけ大きな面に何もないというのも寂しいですから、ちょっとオリジナルのディティールを加えてやることにします。

(図43)

 まずは上の↑(図43)のように、二重構造にしてみました。いわゆる複合装甲のような雰囲気をねらってみたわけです。

 これでもまだ粗な感じがしますので、さらにディティールを追加してみましょう。

(図44)

 上の↑(図44)を見て下さい。赤い部分はブーリアン演算でくり抜いたところです。つまりその部分をへこませてディティールとするわけです。

(図45)

 くり抜いただけでは体裁が悪いですから、くり抜きに使った自由曲面を加工して「へこみの底」パーツを作り、くり抜いた部分にハメ込みます。↑(図45)の赤い部分がそうです。

(図46)

 この状態でレンダリングしてやると↑(図46)のようになります。まあまあそれっぽく出来たでしょうか。

 ちなみに中央の丸いへこみは可動用ジョイントの受け具です。

(図47)

 これで腕の形状が出来上がりました(図47)。

 チェーンガン(腕の機関砲)などの細かい部分は、あとでまとめて、ディティールの作り方として解説したいと思います。


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