ブリザードガンナーの制作


3・主砲を作る

 戦車型ロボットの場合、主砲は機体のアウトラインを形成するパーツですから、次にここを作ってプロポーション固めをしていきます。

 ブリザードガンナーにはターレットがなく、突撃砲式に主砲を搭載しています(図11)。そこで基部のフェアリングをまず作り、それに準じて機体に穴を空け、主砲を差し込んでやることにします。

(図11)


 まずはフェアリングの形を正面から見たところを想像し、Shade上に線形状を描いてやります。(図12)

(図12)


 しかる後に、その線形状の後端CPを持ち上げ、フェアリング前縁の形にします。(図13)

(図13)


 斜め上から見ますと(図14)のようになってます。

(図14)
 そうして作った線形状に沿って、円形の線形状をスイープ(操引)してやります。すると(図15)のような自由曲面が出来ます。

(図15)

 レンダリングしてみると(図16)のようになります。
 これがつまりフェアリング前縁です。実に簡単。(^^)

(図16)


 次にフェアリングの本体を作ります。
 最初に作った前縁の基本形状を複製し、その上半分だけを取り出します。(図17)この時点で閉じた線形状→開いた線形状に変換しておきます。

(図17)


 その線形状を後方へ向けて二回複製し、CPを編集してフェアリングの形にしてやります。(図18)ちょっとかごを編むような感覚です。

(図18)


 こうして出来た自由曲面を前縁と一緒にレンダリングしてやると(図19)のようになります。
 このように、作った形状を利用してどんどん次の形状へと発展させていくのがShadeの醍醐味の1つかもしれません。

(図19)


 作った形状を機体本体に組み合わせてみましょう。(図20)
 まあまあそれらしく見えています。これでフェアリングの基本形が出来ました。

(図20)


 次に、機体本体に主砲を差し込むための穴を空けてやりましょう。
 最初に作ったフェアリング前縁の基本形状を再び利用します。これを前後方向へそれぞれコピーし、CPをZ軸上に整列、しかる後に線形状同士を繋いで自由曲面にしてやります。
 この形を本体からくり抜いてやるわけです。

(図21)


 ブラウザ上で(図21)の形状を本体パートに内包させ、「&*」という制御記号を付けてやります。(図22)
 これで疑似ブーリアン演算の対象となり、くり抜きが行われます。

(図22)

 レンダリングしてみると(図23)のようになります。上手くくり抜かれているようです。

(図23)


 フェアリングと組み合わせてみましょう。(図24)まあまあ雰囲気が出てきましたね。
 実際にはこの後内側のパーツを別に作ったりしなければなりませんが、取りあえず主砲を装着する用意が出来ました。

(図24)


 では主砲本体を作りましょう。これはフェアリングよりさらに簡単に作れます。
 まず主砲を横から見たところを想像し、その断面を線形状として描いてやります。(図25)

(図25)

 この形状をグルリと回して回転体を作ってやります。(図26)
 これだけで主砲の基本形は完成です。簡単だなあ。
 

(図26)

 さらに凝りたい場合は、(図27)のようにバレルの内側と外側に回転体を分割したりするのが効果的です。
 それぞれに違うマテリアルを与えたりすると何かそれっぽく見えます。

(図27)

 内側と外側を分割しておけば、(図28)のように内側にだけバンプマテリアルを設定し、ライフリングを切ったように見せることも出来ます。

(図28)

 また(図29)のように内側の形状を編集してやれば、ちょっとビーム砲のような雰囲気を出すことも出来ます。このあたりは劇中の設定を勘案して色々工夫すると良いと思います。

(図29)

 さて仕上げましょう。
 主砲形状の根元部分にキャンバス様の形状を取り付けてやり、本体に差し込みます。(図30)
 この形状はフェアリングの線形状を利用して作っているので、その内側にピッタリはまって隙間を塞いでくれます。図ではデコボコのバンプ処理をして布のように見せています。ここにスキンを設定すれば、砲の俯仰に合わせてクニャクニャ動いてくれるのです。

(図30)

 これで主砲の制作が完了です。


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