ブリザードガンナーの制作


6・脚部の制作

 脚の部分を作ってモデリングを完了させます。


 まず腿(?)からスネの部分にかけては(図59)のような構成になっています。

(図59)


 (図60)はパーツ構成図です。シンプルな形状を複合させて、それらしく見せていることが分かります。

(図60)


 腿はまず(図61)のような外装パーツを作っておき・・・

(図61)


 それに内部フレームや排気ダクトのパーツを組み合わせています。(図62)

 このようにバンプ処理でなく形状として別パーツを作ってやると、何気にメカニカル感が増すように思います。メモリに余裕があればなるべくこだわって作ってやりたいところです。

(図62)
 

 次にヒザを守っているフローティングアーマーを作ります。

 まず(図63)のような開いた線形状を描きます。

(図63)


 しかる後、その線形状を両側に縮小、回転コピーしてやります。
(図64)のような感じです。

(図64)
 その3本の線形状を自由曲面パートに入れ、各CPにアンスムースをかけます。すると(図65)のような滑らかなアーマー外装が出来ます。とても簡単。

(図65)
 レンダしてやると(図66)のようになっています。ヒザを丸くくるみ込む感じのアーマーです。

(図66)
 しかしそのままではエッジに厚みが無くて実感を損ねています。エッジを別パーツで作ってやりましょう。

 まずは作ったアーマーの形状を複製し、下部のエッジに当たる線形状を取り出します。実際には取り出した線形状を繋ぎ合わせたり閉じたりという作業が必要となりますが、ここでは割愛します。

(図67)
 (図67)が取り出した線形状です。この形状に沿って、適当な大きさの楕円形状をスイープ(操引)してやります。すると(図68)のようにグネったリング状の自由曲面が出来ます。

(図68)


 これがつまりエッジ(フチ)となるわけです。先に作ったアーマー本体と一緒にレンダしてやると(図69)のようになります。

(図69)


 この側面に設定通りにフェアリングを付けてやれば完成です(図70)。

 実感を高めるため、内側にアーマー形状を縮小コピーして張り付け、ライナーのような表現をしてみても良いでしょう(図の緑の部分)。

(図70)


 さて最後は足首部分の制作です。

 ここは(図71)のような形状ですが・・・

(図71)
 主なパーツ構成は(図72)のようになっています。非常にシンプルです。

(図72)
 やや込み入った形状になっているのは「ツメ」の部分で、ワイヤーフレームで見ますと(図73)のようになっています。

 ツメの本体と小さなスパイク部分を別に作り、「記憶」、「適応」ツールで繋ぎ合わせています。

(図73)
 

 ところでお椀型のジャバラ部分(図72の緑の部分)はグネグネフレキシブルに動かす必要があります。ここはShadeのスキン機能を使って再現してやります。

 まず(図74)のように3本の線形状によってお椀型の自由曲面を作ります。これを変形させてやりたいわけですが、足首を曲げたとき、図の「3」の線形状はそれにつれて動かないと困りますが、逆に付け根に当たる「1」の線形状には動いてもらいたくありません。

(図74)
 Shadeの場合、線形状やCP毎に変形の割合を設定することが出来ます。

 (図75)を見て下さい。これはスキンの設定をするためのブラウザで、足首を曲げたり伸ばしたりする際、各線形状がどのように動くべきか数値設定が出来ます。

(図75)
 ここで線形状「3」にはスキンに全対応する設定をし、逆に「1」にはスキンを無視する設定をします。図では「0.5」という数値になっていますが、これは線形状「2」に対する設定です。つまり「スキンに対して半分だけ対応しなさい」という設定になっているワケです。

(図76)
 (図76)は実際に足首を曲げてみたところです。ジャバラ上端の線形状「1」は全く動かず、「2」、「3」と下へ行くにつれて大きく曲がっている(スキンに対応している)ことが分かります。

(図77)
 曲がった足首をちょっとレンダしてみたのが(図77)です。まあまあ上手く曲がってくれているようですね。

 この技法はアニメロボットのジャバラ関節を手軽に表現できますので、設定の仕方を色々試して練習しておくと便利だと思います。

(図78)

 完成した脚部を胴体に組み合わせ、各部にルーバーなどのディティールを入れた状態が(図78)です。

 ブリザードガンナーの形状モデリングはこれで終了です。次回は色を塗ってモデルを完全に仕上げます。


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